各国代表 2021.03.21

フランスが土壇場から劇的な逆転勝ち! 壮絶な戦いで首位ウェールズ倒し逆転優勝へ望みつなぐ

[ 編集部 ]
フランスが土壇場から劇的な逆転勝ち! 壮絶な戦いで首位ウェールズ倒し逆転優勝へ望みつなぐ
土壇場の逆転トライで歓喜するフランス。あと少しで全勝優勝を逃したウェールズ(Photo: Getty Images)


 崖っぷちに追い込まれていたフランス代表が踏ん張り、劇的な逆転勝ちで11年ぶりの欧州王座奪還へ望みをつないだ。
 パリ郊外のスタッド・ド・フランスで現地時間3月20日、シックスネーションズのグランドスラム(全勝優勝)に王手をかけていたウェールズ代表と対戦し、ラストアタックで逆転トライを奪い、32ー30で死闘を制した。

 4勝1敗(総勝点20)で戦いを終えたウェールズが暫定首位だが、3勝1敗(総勝点15)のフランスは新型コロナウイルスの影響で延期となったスコットランド戦を残しており、逆転優勝の可能性がある。

 序盤から激しい攻防となり、めまぐるしくスコアが動いた。
 フランスが5分にゴール前のパワープレーで先制すれば、ウェールズは6分後、敵陣深くでの連続攻撃からSOダン・ビガーが走り込んできてゴールラインを割り、同点とした。
 しかし数分後には青いジャージーが活発になり、ディフェンス裏への巧みなチップキックを使ったアタックで勝ち越す。それでもゲームは落ち着かず、17分にはレッドウェーブ。ウェールズが波状攻撃でトライを奪い返した。

 両チームとも、ゴールキックでも確実に得点を重ね、17ー17で前半を終えた。

 後半、先に流れをつかんだのはウェールズだった。
 45分(後半5分)にPGで勝ち越すと、49分にはFLジャスティン・ティプリックがディフェンス裏に蹴ったボールをWTBジョシュ・アダムズがさらにドリブルし、それを確保したSHトモス・ウィリアムズがアダムズにパス、赤いジャージーの背番号11がインゴールに突っ込み、トライが認められた。

 10点差で、ラスト20分の戦いに突入。
 追いかけるフランスは猛攻を繰り返す。しかし、ゴールラインを越えても、堅守のウェールズがグラウンディングを許さないシーンが何度もあった。

ウェールズはがまん強いディフェンスでフランスを苦しめた(Photo: Getty Images)

 67分には、辛抱強く攻めたフランスがようやくトライを決めたかと思われたが、その前に、密集に突っ込んでいったフランスのLOポール・ヴィレムセが相手選手の目の付近に指をかけていたことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認され、レッドカード。一発退場となり、トライは取り消しとなった。

 まもなく、その9分前にイエローカードをもらっていた選手がフィールドに戻ったフランスだが、残り時間を14人で戦うこととなり、状況は厳しくなる。それでも必死に攻めたが、ウェールズはがまん強かった。

 だが、猛攻を続けたフランスに対し、ウェールズは71分、72分と続けて反則を犯しイエローカードを2枚もらってしまう。残り時間、フランスは14人、ウェールズは13人でプレーすることになった。

 あきらめないフランスは、76分、主将のFLシャルル・オリヴォンが執念でトライを挙げ、SOロマン・ンタマックのコンバージョンも決まり、3点差とした。

 リスタート後、フランスはハーフウェイまで攻め上がる。しかし、パスが乱れてプロップの選手が落球し、万事休すと思われた。が、ボールキープで逃げ切りを図ったウェールズが残り時間1分を切ったところで痛恨の反則。
 敵陣22メートルライン付近まで入ったフランスは、ラストアタックで11フェイズを重ね、左に展開、数的有利でスペースが生まれ、FBブリス・デュランがインゴールに持ち込み、劇的な逆転トライで天国と地獄が変わった。

 壮絶な戦いを制したフランスは、3月26日にホームでおこなうスコットランド戦で、4トライ以上挙げてボーナスポイントを獲得し、21点以上差をつけて勝てば、逆転優勝となる。

フランス最後のアタックで逆転トライを決めたブリス・デュラン(Photo: Getty Images)

PICK UP