ラグマガで振り返る。トップリーグはこうして始まった(6)-マイクロソフトカップ誕生-
今年2月に日本協会が広告会社向けに行った協賛募集に関する説明会で提示されたトップ8トーナメントの冠協賛金は6千万円。今回は、日本代表への支援と合わせて年間で計1億円程度の規模と見られている。阿多社長は、具体的な協賛期間については明らかにしなかったが「できるだけ長くサポートしていきたい」 としている。日本協会側も「複数年の支援を期待している」(真下昇専務理事)。同社の宣伝広告活動の中でラグビーを取り上げるなどのサポートについては、阿多社長は「すべて検討段階で、現時点で話せること。はない」と答えるにとどまった。
国際的にも知名度の極めて高い冠スポンサーの獲得は、国内ラグビーの構造を大きく変えてスタートするトップリーグにとっては好材料。一方、気になるのは、トップリーグのリーグ戦や日本選手権に代わるジャパンカップ (仮称)との関係だ。日本協会は「トップリーグのチャンピオンとこのマイクロソフトカップのチャンピオン、そしてジャパンカップのチャンピオンは、それぞれがチャンピオンで、その間の序列は付けない」(真下専務理事)という姿勢をとっているが、トップリーグ8強による同カップは、もともと協会側も「注目度、バリューがあると踏んでいた、ハイライトのトーナメント」(真下専務理事)と位置づけている存在だけに、強力なスポンサーを得た同カップばかりが突出することにもなりかねない。
マイクロソフトカップのような、負けたら終わりという勝ら上がり式の短期決戦は盛り上がりやすい。しかし、総当たりの各チーム11試合という長丁場のタフなリーグ戦で国内ラグビーの底上げを図るというのが、トップリーグ創設の重要な目的のはずだ。そのリーグ戦を、いわば同カップへの「予選」や、自動降格や入れ替え戦に回る4チームをふるい落とすためだけの戦いにしてしまわないよう、各大会の売り物、性格付けを明確にした上でのプロモーションが必要となってくる。