国内 2021.01.24
天理大学特集! 2年前の決勝で「敗戦を新しい力に」(前編)

天理大学特集! 2年前の決勝で「敗戦を新しい力に」(前編)

――帝京大戦の後、加藤選手が「1㌢にこだわる」と言っていた。

加藤 地面から1㌢の高さで組む。

由良 その意識で全員がやることで、コンパクトで強く組めるんです。

マキシ 今はエイトもめっちゃ体重かけて押してますけど、1年のときは肩をつけるくらいでした。去年からエイトも押し切るようになって、今年はバックローの意識が高かった。

佐藤 僕は3番の小鍜治(悠太)を押してたんですが、前が頑張ってくれてるので、3列も死ぬ気で押してました。

――佐藤選手は、新潟から天理高校に入学した。

佐藤 入るときは、特に何も考えてなくて、親が寮生活をしてみろと。気が付いたらラグビーやってた。いい先輩がいたのでついていった感じです。

――本数はかなり組むのですか。

加藤 僕が2年のとき、菅平合宿の前の流葉(高原)合宿が終わったら、首の皮が剥けてた。朝起きてすぐ、歯を磨いてバナナを食べて、スクラムを組んでました。

由良 ブヨに噛まれながら(笑)。朝なんでめっちゃ地面に虫がおるんですよ。みんな足とか噛まれまくって。

島根 バインドしてるから手ではらえない。

由良 虫除けスプレーも効かない。

――島根主将は今季からHOに転向した。苦労があったのでは。

島根 最初は僕がHOに入ると、下のチームにも押されてました。他のチームには押されないんですけど、身内には負けていた。

加藤 HOは付け焼刃で出来るポジションじゃないのに、スローイングも含めてよく頑張ったと思います。

佐藤 僕はずっとバックローで一緒だったので、ユニット(練習)が終わった時のしんどそうな顔がャパかった。大変やろうな、と。

由良 僕はラインアウトのサインを出していて、最初は前でとりやすいサインを出していたんですが、夏合宿でラインアウトが不安定だった。島根が焦ってるのも、チームをまとめないといけないのも分かったから、どうにかして相手から逃げて、なおかつ島根が投げやすいところを、と考えていたら、僕自身考えすぎてしまった。佐藤慶から「こうしたら」と言われても「そんなこと分かってんねん!」って。島根は練習終わってからもずっと一人で、的に向けて投げてた。毎日その姿を「すごいな」と見てました。

――キャプテンの重責と新しいポジションの両立は大変だったのでは。

島根 それがお互いに噛み合ったから、よかったのかなと。必死になる分、みんなもついてきてくれる。弱いのに、キャプテンだからと出られるのは嫌だった。スローイングは最後までうまくいったとは思ってないですけど、やれることは全部やったかなと。また練習して、次のステージでも頑張らないと。(つづく)

PR加藤滉紫(撮影:江見洋子)

◎第55回大学選手権決勝(2019年1月12日) 明治大22―17天理大

【明治大メンバー】

1.安昌豪 2.武井日向 3.祝原涼介 4.片倉康瑛 5.箸本龍雅 6.石井洋介 7.井上遼 8.坂和樹 9.福田健太 10.忽那鐘太 11.髙橋汰地 12.射場大輔 13.森勇登 14.山崎洋之 15.山沢京平 16.松岡賢太 17.齊藤剣 18.吉岡大貴 19.小宮カズミ 20.朝長駿 21.松尾将太郎 22.児玉樹 23.山村知也

【天理大メンバー】 1.加藤滉紫 2.島根一磨 3.小鍜治悠太 4.由良祥一 5.アシペリ・モアラ 6.岡山仙治 7.佐藤慶 8.ファウルア・マキシ 9.藤原忍 10.松永拓朗 11.中野豪 12.池永玄太郎 13.シオサイア・フィフィタ 14.久保直人 15.立見聡明 16.内山友貴 17.谷口祐一郎 18.山川力優 19.ジョネ・ケレビ 20.松岡大和 21.小畑拓也 22.野田涼太 23.松田信夫

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