国内 2020.12.21
第100回まであと6日! 決勝再現⑤第94回・東福岡57-5御所実

第100回まであと6日! 決勝再現⑤第94回・東福岡57-5御所実

決勝史上最多得点。3年ぶり5回目の頂点

記録づくめの戴冠

 FL古川聖人主将率いるFWが密集戦でグイグイ前に出て、できたスペースをSO松尾将太郎、CTB永冨晨太郎の長く鋭いパスで次々と攻略。前半7分にCTB萩原蓮のトライで先制すると、髙野蓮、岩佐賢人の両WTBなど決定力あるBK陣が存分に走り回ってトライを重ねる。

 全5試合の総得点298、決勝での57得点と得失点差52はいずれも大会史上最多、記録ずくめの戴冠。史上初の「高校3冠」達成は、過去4回の花園制覇と比べても随一といえるインパクトがあった。決勝を戦った御所実・竹田寛行監督の言葉が、それを裏づける。

「あんなチーム、見たことないです。いままでのヒガシとまったく違う」

 谷崎重幸監督からチームを受け継いだ藤田雄一郎監督にとっては、就任3年目での花園優勝。過去2大会はベスト8、ベスト4で敗退し、選抜大会の予選敗退など苦難も味わった。

「結果が出ないことにはここで監督は張れない。やっと監督としてのスタートラインに立てた。これで谷崎先生が作ってくれた道を、少しは広げていけるかもしれないな、と」

 ラグビーの原点である格闘技的要素で圧倒するという伝統を継承しつつ、新たなエッセンスを加えてチームを次のステージへ引き上げた。そのことを証明する、見事な優勝だった。

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