週末、サクラフィフティーンの絆を示す。南早紀主将の心意気
2021年9月に始まる世界の舞台を見据えている。
女子15人制日本代表、サクラフィフティーンの候補(強化)合宿が11月24日から千葉・市原で始まった。
11月29日には、熊谷にて『リポビタンD presents JAPAN RUGBY CHALLENGE 2020』が開催される。その中でサクラフィフティーンも、セレクションを兼ねたスコッド内試合をおこなう。その準備が進められる。
来年9月から10月にかけて、ニュージーランドで(女子)ワールドカップ(以下、W杯)が開催される。その舞台に立つには、カザフスタン、香港と争うアジア予選を通過しなければならない。
コロナ禍の影響を受け、その予選の実施日程はまだはっきりしない。しかし、11月20日にW杯のプール組分けが決まった。カナダ、アメリカ、ヨーロッパ地区1位と同じプールBで戦う。
ウイルス感染拡大という想定外の状況の中での準備について、南早紀主将は、「(予選実施を)信じてやってきた」と話した。
予選の日程こそ未定のままも、本大会でのターゲットが決まり、「合宿もおこなわれるし、少しずつ(やるべきことが)ハッキリしてきた」と視界が開けてきた心境を口にした。
サクラフィフティーンの指揮を執るレスリー・マッケンジー ヘッドコーチ(以下、HC)の母国、カナダとの対戦が決まり、「運命を感じます」と言う。
「楽しみ。HCにとっても特別な試合になりますね」
良い結果を残し、恩返しをしたい。
世界の目が見つめる中で強豪国に勝ち、少しでも上へ進出したいチームは昨年11月24日、敵地でスコットランドに勝って自信を深めた。
同チームは、W杯でも戦う可能性のあるチームだ(ヨーロッパ地区予選はアイルランド、イタリア、スコットランドと欧州女子選手権=スペイン、ロシア、オランダの1位が出場)。
スコットランド戦勝利から1年が経った。その間、混乱期によってチームは思うように強化ができなかったけれど、南主将は仲間の進化を感じている。
「オンライントレーニングは続けていましたが、(9月の)北海道合宿で久しぶりにみんなと会って、体が大きくなっているのを感じました。しっかりウエートトレをやっていてくれたんだな、とあらためて分かりました」
困難の中でも、一人ひとりが高い意識を持ち続けていてくれたこと、オンラインでつながるだけでなく、心がつながっていたことが感じられて嬉しい。
「みんながやってきたことの成果を、フィジカルの強さから感じられました」
しっかりした準備を重ねたら必ず結果は出ると信じている。
母校・筑紫高校(福岡)が花園への出場を決めたことも勇気をくれた。
「(世の中が)うまくいかない中で、結果を残した。競った試合を勝ち切ったのは凄い。後輩たちに負けていられないな、と思いました」
春先に実家に戻っていた時も一緒に練習することはできなかったが、陰から応援していた。筑紫魂は、自分の中にもしっかりある。
ファンの前でおこなわれる、週末のセレクションマッチに向けて気持ちを高める。
「プレーを見てもらえる機会は少ないので、テレビでも放映していただけるし、めちゃくちゃ楽しみです。(ファンの方々に)サクラフィフティーンのことを知ってほしいですね」
熊谷に足を運んだ人たちは、サクラフィフティーンのひたむきさにきっと惹きつけられる。世界で勝つための日本らしさも感じるはずだ。
結果、応援の力はさらに大きくなりそうだ。