国内 2020.09.26

トップリーグ、「日本国籍も他国代表経験者は外国籍選手」の規約変更せず。

[ 編集部 ]
トップリーグ、「日本国籍も他国代表経験者は外国籍選手」の規約変更せず。
規約変更を求め嘆願書を提出していたロス アイザック(撮影/松本かおり)



 大きな変更はなかった。つまり、声をあげた選手たちの願いは届かなかった。
 日本ラグビー協会は9月25日、日本国籍を持つ外国出身選手でも、他国代表経験がある選手については外国籍扱いとし、試合への出場制限をする現規約(トップリーグ規約第35条)を変更しないと表明した。

 これは、2019年度シーズンまでNTTコミュニケーションズに在籍した元ニュージーランド代表、ロス アイザックや、現在も同チーム所属の元豪州セブンズ代表、ヘンリー ブラッキン、リコーに所属しているセブンズの元ニュージーランド代表、ボーク コリン雷神の3人からの嘆願書について協議を重ねてきた末に出した答えだ。
 3人は日本国籍を取得し、長くチームに貢献してきた背景もあり、規約改正を求めていた。

 日本協会、トップリーグの今回の判断は、2020年度シーズンに関しては、現在の規約にある文言、表現に関しては変更するというものだ。「差別的と解釈されかねない」との理由から決めた。
 規約を変えないことについてトップリーグの太田治チェアマンは、「2020年度シーズンの各チームの採用は終わっているから」と話した。
 いま変更すれば、それに対応できるチーム、できないチームが出て不公平が生じる。選手間にも同様の現象が起こる可能性があるとした。
「ルールを変えるには合意形成の時間が必要」という考えからだ。

 日本国籍取得選手であろうと、「すでに他国代表の経験があり、日本代表選手になる資格のない選手に関しては外国籍選手とする」扱いは、2016年度シーズン開幕前に決まった。
 日本代表強化を目的に、日本人選手の出場機会の保護、日本代表になり得る外国出身選手のプレー時間の確保を目的としたものだ。

 現在トップリーグは、試合へのエントリー選手(リザーブ選手を含む) 23 名のうち、外国籍選手、特別枠選手、アジア枠選手の合計を6名以内としている。
 外国籍選手とは日本以外の国代表歴のある選手、日本代表になれる可能性がない選手(アジア枠選手は含まない)で、特別枠選手は外国籍も、日本代表である選手及び日本代表になる可能性がある選手だ。アジア枠選手は、アジア協会加盟国の国籍を持ち、かつ、日本協会を含むアジア協会加盟国の代表選手となる資格を有する選手となる。
 アジア枠選手および特別枠選手はチーム事情により、外国籍選手としての試合出場も可能。ただ、その場合でも同時出場は外国籍選手の出場枠は 2 名で、アジア枠選手の出場枠 1 名、特別枠選手の出場枠 3 名は変わらない。

 2020年度に関しては規約の表現を変えるだけにとどまるも、2021年度発足予定(2022年1月開幕予定)の新リーグに関しては、代表強化との兼ね合いがあるものの(代表資格に沿うことが基本線も)、リーグのレベルを上げる要素となる可能性もあるため、規約見直しが検討される可能性も示唆した。

 以前には他国代表経験者ながらも、日本国籍取得のため、制限なく出場機会を得られた選手たちもいた(いる)。
 その例も含めて今回の件に関して組まれたタスクフォースがリーグ所属チームからの意見の吸い上げもおこなったが、すぐに規約変更の結論は出なかったという。
 また、日本国籍取得選手の急激な年俸高騰などが問題視されるケースもあっただけに、今後は各チームに対してのサラリーキャップ制度の徹底なども含め、時代に合った変化が求められるだろう。


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