セブンズ 2020.07.16
藤田慶和、東京五輪への強い思いはブレない。「母親の夢も一緒に叶えたい」

藤田慶和、東京五輪への強い思いはブレない。「母親の夢も一緒に叶えたい」

[ 編集部 ]
ワールドセブンズシリーズではこれまで通算97試合に出場している藤田慶和(Photo: Getty Images)

 セブンズ日本代表はワールドシリーズのコアチームに復帰することが決まり、オリンピックまでの期間を世界の強豪と戦いながら強化することができる。東京オリンピックでのメダル獲得へ向け、プレー面では「世界一速く起きて、速く動く」ことがキーポイントとなるが、藤田はまだまだ世界一には達していないと冷静に見ており、ワールドシリーズでの果敢なチャレンジとレベルアップが求められる。
「自分たちが掲げているのは『Bee Rugby』。ハチのようにすばやく動いてプレーをするというところを極めて、世界一になりたいと思っています」

 そんなセブンズ日本代表において、藤田は司令塔のような役割も担う。なので、「個人として絶対にブレない」ことを意識する。司令塔がブレたら、チーム全体の戦い方が混乱するからだ。どんな状況でもチームのゲームプランをしっかりやりきることが大事だと自分に言い聞かせる。ゲームのマネジメントだけではなく、自分の強みであるランニングも活かしたい。それは勝利へ不可欠なものだ。

 7人制と15人制の両方で世界を知り、2015年のワールドカップ・イングランド大会を経験している藤田には、15人制日本代表復帰と2023年のワールドカップ挑戦を期待する声もあるが、東京オリンピックまではセブンズに集中したいと話す。
「あまり先を見すぎずに、まずはオリンピックのメダル獲得へ向け、チャレンジしていきたいです」

 2019年の自国開催ワールドカップには出場できなかったが、あのとき日本中を熱狂させた15人制日本代表のように、7人制日本代表として東京オリンピックで盛り上げたいという思いは強い。日本でオリンピックを開催する意義について訊かれると、藤田はこう答えた。
「もっともっと、日本のスポーツの価値が上がると思います。7人制ラグビーという、まだまだ知られていない競技も日本の皆さんに知ってもらうチャンス。一人でも多くの方に、感動や勇気を与えさせていただけるような試合やプレーをしたいです。精いっぱい、メダル獲得へ向け努力していきたいと思っています」

 そして、いつも支えてくれている人々、特に家族への感謝の気持ちは忘れない。
「母親が息子をオリンピック選手にしたいという夢を持っていて、(故郷の京都で過ごした)自粛期間は2か月くらいあったのですが、いろいろとサポートをしてくれました。次は僕がプレーで母親に恩返しできたらいいなと思っていますし、オリンピックに出場して、母親の夢も一緒に叶えたいなと思っています」

 新型コロナウイルスはまだ終息が見えない。もしかしたら、1年延期した2021年の東京オリンピックも開催されない可能性がある。それでも、藤田の強い思いは揺るがない。
「自分たちにはコントロールできないところなので、僕たちはいま出ているスケジュールに合わせて、自分たちが納得いくような準備、世界に勝てるような準備をしていくことが大事だと思います。オリンピックがあると思って、ポジティブに準備をするだけ。そこは明確です」

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