海外
2020.04.14
欧州最優秀選手にも選ばれた元イングランド代表のアベンダノン、無念の引退へ。
元イングランド代表フルバックで、ヨーロッパ最優秀選手にも選ばれたことがあるニック・アベンダノンが4月13日、今シーズンをもって現役を引退すると発表した。2014年からフランスのクレルモン・オーヴェルニュでプレーしてきたが、6月で契約が切れることになっており、フランスリーグのトップ14は新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズン途中の17節で中断したままで、チームがベスト8入りを決めたヨーロピアン・チャンピオンズカップも準々決勝以降がおこなわれておらず、33歳のアベンダノンは最悪の場合フィールドに戻れぬままブーツを脱ぐことになるかもしれない。
彼はフランスのラグビー専門紙『ミディ・オランピック』で、「難しいが、6月の終わりにはやめなければならない。私には選択肢がない。シーズン末までにできるだけ多くプレーして、このレベルでまだやれることを証明したいと思っていたのだが……」と語っている。他のいくつかのクラブと連絡を取ったそうだが、いい返事はもらえていないようで、新型コロナウイルスの影響でいつラグビーが再開できるのか未来はわからず、「本意ではないが、人生にはどうしようもできないことがある。やめる覚悟はできていないが、仕方がない」と苦しい胸の内を明かした。
アベンダノンはプレミアシップのバースに所属していた2007年にイングランド代表入りして2キャップを獲得。フランスのクレルモンに移ったあとも活躍し、2014-2015シーズンのヨーロピアン・プレーヤー・オブ・ザイヤーに輝いたが、イングランドラグビー協会は国外を拠点とする選手は代表チームには招集しない方針をとっていたため、2015年のワールドカップスコッドに入ることはできなかった。