国内 2020.03.25
リモートワーク中のNTTコム選手にトップリーグ中止の件を聞いてみた。

リモートワーク中のNTTコム選手にトップリーグ中止の件を聞いてみた。

[ 向 風見也 ]
ラグビー、社業とも責任感が増した湯本睦(撮影:向 風見也)

 日本協会は、5月下旬からの日本選手権の実施を希望。出場する上位4チームを決めるためか、各クラブへは5月上旬から試合ができるような準備を求める。

 それに伴い、NTTコムは23日のうちにコーチ陣が会議。3月は個人練習の期間となり、各選手はS&Cコーチ団に課されたメニューを遂行することとなった。

 齊藤や湯本のような社員組は各自のタイムマネジメントのもと、執務とトレーニングに勤しむ。高橋信孝チームディレクターによれば、社内ではラグビーに関する活動もキャリア形成の一部と認識されている。

 全体練習の再開は4月6日だが、その後の状況は流動的。これまで第5、6節で途中出場の齊藤は「開催できるのかも危ないのではと感じていて……」と正直に吐露する。

 もっとも南アフリカ代表HOのマルコム・マークス、オーストラリア代表SOのクリスチャン・リアリーファノら世界的名手がいるこのクラブにあって、「ここには実力がトップクラスの選手しかいなくて、皆、努力する」と刺激を受けてもいる。モチベーションは絶やしたくない。

「実力差があるのに、その差が縮まらないな……というのがおもしろいところです。マルコム・マークスも、ずっとスローイングの練習をしたり走ったり。クリスチャンもずっとキックを蹴っている。トッププレーヤーはやるべきことをやる。この時期、(主力組との)差を縮められるようにしたい」

 かたや実施された全6試合でプレーした湯本は、テンポのよいパスさばき、サイドアタック、相手がラインアウトから攻撃ラインへ球を引き渡す際の鋭いプレッシャーなどを披露しながら、「足りなかった部分は多かった」。目標を設定しづらいなかでも、向上心を保つ。

「日本選手権がどうなるかは決定事項ではないですが、それをあると信じてやっていくしかない。この期間にできることはたくさんある。(試合などの)映像は(時間的に)見やすくなると思いますし、(グラウンドレベルで)目に見えないビジョンを(イメージできるように)工夫して変えていければ、試合中のプレーの幅も広がる。そうしたことにチャレンジしていきたいです」

 現場の人々は力強い。

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