国内 2020.01.11

ずっと早稲田。森島大智が大学選手権決勝へ万感の思い。

[ 向 風見也 ]
ずっと早稲田。森島大智が大学選手権決勝へ万感の思い。
アカクロに憧れた森島大智。早大11季ぶりの大学日本一を目指す(撮影:向 風見也)


 早大ラグビー部は、1月11日の大学選手権決勝で昨季王者の明大と対戦。試合を左右する項目のひとつに、8対8で組み合うスクラムがある。重量級の多い明大のパックにどう対応するか。4年生HOの森島大智は、「低さ、まとまり」が鍵だと話す。

「明大のスクラムは重く、ヒットでもそれを活かしてくる。練習では相手役に(通常より2人多い)10人に増やして重さに対抗できるようにしてきました」
 
 身長178センチ、体重101キロ。ワセダクラブ、早稲田実業中等部、早稲田実業高等部とこのクラブの兄弟チームで汗をかいてきた。まだ少年だった2000年代に5度も日本一に輝いた早大へ、自然な流れで憧れを抱いた。父の弘光さんも早大が誇る名HOで、コーチ歴もある。

 もっとも、早大が最後に凱歌を奏でたのは2008年度。翌年度からは帝京大の9連覇が始まり、森島も1、2年時はその時代を対戦校の1人として過ごした。中学、高校時代について聞かれても、丁寧な口調でこう話す。

「自分は出ていないんですけど、悔しい…と。自分のなかでは早大が強いというイメージがあったので…」

 近年は系属の早稲田実業高等部が強化を進め、昨季は全国高校ラグビー大会に82年ぶりに出場している。

 今度の早大の決勝戦のメンバーには、早稲田実業高等部の歴代主将が3名、選ばれる。1年でFLの相良昌彦、3年でNO8の丸尾崇真、そして森島だ。

 一昨季の早稲田実業校高等部で主将だった2年の中西亮太郎も、今回こそラインナップから外れたが中野将伍がけがをしていた時はインサイドCTBのスターターを務めた。森島は笑う。

「最初はソウジツの選手がなかなか戦力になれていなかったですが、最近、少しは見返せたかなと思いますね。自分が早大を目指したのは、早大で日本一を獲りたかったから。最後も出し切って、優勝したいです」

 森島が早大のレギュラーとしてチャンピオンになる意味は、入学前から抱いてきた悔しさを晴らすこととほぼ同じ。夢をかけた戦いは、14時半、キックオフとなる。

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