7人制日本代表第二次五輪候補発表 意欲持つ15人制選手に岩渕HC「来たい人は早く来て」
日本ラグビー協会は12月20日、来年夏に開催される東京2020オリンピックへ向け、7人制日本代表第二次オリンピックスコッド(男子:19人、女子:21人)と、今後オリンピックスコッドに選出される高いポテンシャルを持ったトレーニングスコッドを発表した。
本城和彦強化委員長いわく、オリンピックスコッドは、オリンピックメンバー入りに今いちばん近い選手で、かつ、セブンズ専任でプレーする選手。したがって今回選ばれた男子の選手は1月から開催されるトップリーグには出場しない。
福岡堅樹など、今年秋の15人制ワールドカップで活躍した日本代表選手のなかで、東京オリンピックへも意欲を示している選手はいるが、彼らの名前は今回の第二次オリンピックスコッドには入っていない。
男子セブンズ日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチはその点について、「何人かの選手と協議を重ねている。現状、オリンピック前の最後の大会は4月下旬のアジアセブンズインビテーショナルだが、1試合も国際大会に出ないでオリンピックに出るということは非常に難しいと想定される。そのあたりも考えながら最終的な選考はさせていただく」とコメントした。
選手たちの体の仕上がり、セブンズへの適応、過去のセブンズでのプレー経験などを踏まえ、7人制の国際大会で世界と戦うレベルになるには、15人制でシーズンに入っているとか、日本代表であるとかは関係なく、かなりの時間が必要という指揮官。
「15人制でシーズンを戦ってきたからパッと7人制の試合でやれるかというと必ずしもそうではなくて、けがのリスクや、競技の必要とする能力の違いというのも出始めているので、国際大会に出るまでも時間がかかる。7人制に適応するには1大会だけではなくて数大会出ることが望ましいと考えているので、そういう意味ではそれなりの期間がオリンピックまでには必要と私の方では考えている」
岩渕ヘッドコーチは、就任当初から一貫して「門戸は一切閉じるつもりはない」。いろんな選手に挑戦してもらいたいと言う。一方で、オリンピックに出場するためにはそれ相応の期間が必要だということはハッキリしており、「最終的には選手が決断してほしい。来たい人は早く来てほしい」と語った。
女子セブンズ日本代表の稲田仁ヘッドコーチはセレクションについて、「ワールドシリーズなどの大会でのパフォーマンスや、強化合宿、練習でのパフォーマンス、そしてオリンピックへ向かっていくマインドの部分も含めて選考している」とコメント。これまでフィジカル面など、ワールドシリーズで自分たちのアタックを継続できるようなベースになる部分の強化に取り組んできたが、ここから先は限られた時間で、日本のいちばんの強みになる運動量や速さ、ラグビーの知識、インテリジェンスの部分を最大限伸ばして、ベストコンディションで大会に臨み目標達成できるように強化していきたい」と意気込みを語った。
日本は男子も女子もワールドラグビーセブンズシリーズのコアステータスを失っており、今季は同シリーズに常時参加することはできないが、現時点で、男子は1月下旬のハミルトン大会(ニュージーランド)と2月上旬のシドニー大会(オーストラリア)に、女子はシドニー大会に招待枠で参加することが決まっている。さらに、新設された下部大会のワールドラグビーチャレンジシリーズや、4月25、26日に東京スタジアムで開催されるアジアセブンズインビテーショナル2020などでも強化していく。
<東京2020オリンピック 男子7人制日本代表第二次オリンピックスコッド>
小澤大(日本ラグビー協会/トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、桑水流裕策(コカ・コーラレッドスパークス)、合谷和弘(日本ラグビー協会/クボタスピアーズ)、後藤輝也(NECグリーンロケッツ)、坂井克行(豊田自動織機シャトルズ)、ジョセ・セル(日本ラグビー協会/北海道バーバリアンズ)、副島亀里ララボウ ラティアナラ(コカ・コーラレッドスパークス)、トゥキリ ロテ(日本ラグビー協会/近鉄ライナーズ)、トロケ マイケル(日本ラグビー協会/NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、橋野皓介(キヤノンイーグルス)、羽野一志(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、林大成(日本ラグビー協会)、彦坂匡克(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、藤田慶和(日本ラグビー協会/パナソニック ワイルドナイツ)、ボーク コリン雷神(日本ラグビー協会/リコーブラックラムズ)、松井千士(サントリーサンゴリアス)、本村直樹(ホンダヒート)、山内俊輝(日本ラグビー協会/リコーブラックラムズ)、吉澤太一(コカ・コーラレッドスパークス)
<東京2020オリンピック 男子7人制日本代表トレーニングスコッド>
石垣航平(コカ・コーラレッドスパークス)、石田吉平(明治大学1年)、大石力也(NECグリーンロケッツ)、加納遼大(明治安田生命ホーリーズ)、津岡翔太郎(コカ・コーラレッドスパークス)、中川和真(キヤノンイーグルス)、中澤健宏(リコーブラックラムズ)、野口宜裕(セコムラガッツ)、ヘンリー ブラッキン(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)
<東京2020オリンピック 女子7人制日本代表第二次オリンピックスコッド>
伊藤優希(MIE WOMEN’S RUGBY FOOTBALL CLUB PEARLS)、大黒田裕芽(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)、大竹風美子(日本体育大学3年)、香川 メレ優愛ハヴィリ(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA /熊谷女子高校3年)、黒木理帆(立正大学3年/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)、小笹知美(北海道バーバリアンズディアナ)、清水麻有(日本体育大学4年)、鈴木彩夏(RKUラグビー龍ケ崎GRACE/流通経済大学4年)、鈴木陽子(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)、立山由香里(日本体育大学4年)、田中笑伊(日本体育大学2年)、堤ほの花(日本体育大学4年)、長田いろは(立正大学3年/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)、永田花菜(日本体育大学1年)、中村知春(ナナイロ プリズム福岡)、バティヴァカロロ ライチェル海遥(立正大学4年/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)、平野優芽(日本体育大学2年)、弘津悠(SCIXラグビークラブ/早稲田大学1年)、松田凜日(國學院大學栃木高校3年)、マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェ(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)、横尾千里(ナナイロ プリズム福岡)
<東京2020オリンピック 女子7人制日本代表トレーニングスコッド>
岡田はるな(東京山九フェニックス)、白子未祐(ナナイロ プリズム福岡)、原わか花(東京山九フェニックス/慶應義塾大学2年)、室越香南(追手門学院大学1年)、藪内あゆみ(ながとブルーエンジェルス)