コラム 2019.11.01
【コラム】今後とも何卒

【コラム】今後とも何卒

[ 成見宏樹 ]

 ジャパンの選手たちが持つ資質は、大会を経るごとにどんどん変わってきている。成長著しい日本だから、それがよりくっきりと見える。一つ前の大会のスター選手が、次の大会に呼ばれないのは、切ないが得難く厳しい生存競争の証。これからも、選手に求められる素養や才能は、変わっていく。第90回花園は、8年後の世界に対応できる選手たちの大会だった。

 大事なのは今からですよね。

 現在、各地では全国高校大会の予選決勝が週末ごと行われている。あす、横浜で世界一のチームが決まった翌日には、大学ラグビーが一気に再開ダッシュを競う。年が明ければ、待ちかねたトップリーグも。

 ワールドカップ・ロスに浸っている場合じゃない。あんなショーアップもエンタタインメントもない、各地の寒風のグラウンドで、未来のジャパンが才能の芽を吹く瞬間を迎えようとしている。それを見守る、支える新しい人がこれからは必要だ。

ワールドカップで、試合に熱狂したラグビーファンや、ボランティア、行政でラグビーに関わったすべての人だ。アンセムを歌ったり、練習を見にいって選手と話したり、応援したり、道案内を買って出たりした。しかも、やってみたら自分も楽しかった。そんな人に、ぜひラグビーと、次のつながりを持ってもらえたら、と願う。

 そうは言っても、私はラグビーの、土でも根でもありません。

確かにそうかもしれないが、ワールドカップで今までと違う光を差し、風を送り込んでくれたのは、新たにラグビーに関わってくれた人たちだ。「帰ってきた」人もいるだろう。思えばサンウルブズ の会場にもそんな空気があった。日本ラグビーにこれまでなくて、これから求められているのは、そんな人たち。植物でいうところの「光」や「風」だ。

 ラグビースクールからトップリーグまで、各地域で、あのような心持ちで支えてくれる人が加わったら、きっとラグビーの周りはいっそう輝く。どんな関わり方がいいのか、は、ラグビーの「中の人」の発想と腕にかかっている。

 一生に一度、で最後まで盛り上がったら、そのあとは、ずっと続くラグビーをご一緒に。ラグビーの「中」の皆さーん、これこそ一生に一度のチャンスかもです。

【筆者プロフィール】成見宏樹(  )
1972年生まれ。筑波大学体育専門学群卒業後、1995年4月、株式会社ベースボール・マガジン社入社。ラグビーマガジン編集部勤務、週刊サッカーマガジン編集部勤務、ラグビーマガジン編集部勤務(8年ぶり2回目)、ソフトテニスマガジン編集長を経て、2017年からラグビーマガジン編集部(5年ぶり3回目)、編集次長。

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