日本代表 2019.08.24

日本代表強化委員長就任の藤井氏、現在のフォーカスと「W杯後」を語る。

[ 森本優子 ]
日本代表強化委員長就任の藤井氏、現在のフォーカスと「W杯後」を語る。
強化委員長就任で注目される藤井雄一郎氏(撮影:森本優子)

 8月22日付で男子15人制日本代表の強化委員長に就任した藤井雄一郎氏が23日、日本代表が合宿している網走で就任の抱負を語った。
 合宿6日目を迎えた網走。23日は低気圧の影響で、1日中、雨が降りしきり最低気温14度と、秋を飛び越して、初冬の気配。連日、長時間の練習が行われている。

 日本代表チームに関して現在、藤井氏が気を配っているのは、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)がグラウンドに集中できる状況と、選手がこれまでやってきたことを出せる環境づくり。もちろん「ワールドカップ後」も頭にある。
「ワールドカップから将来に結び付けていく。(選手を)料理するのはコーチ陣。僕らの仕事は、どれだけ下からいい選手を吸い上げていくか」

 ワールドカップ後の代表HCについては、先日、ジョセフHC続投とコメントした清宮克幸副会長と考えを同じくする。
「今のところ他の人が出てきてるわけではない。このまま自然にそうなるのでは。本人はいろんなオファーはあるけど、日本を一番に考えています。できればジェイミーが継続して、日本人(HC)にバトンタッチしていくのが自然の流れかと」

 代表強化の主軸として挙げたのは、プロリーグの設置だ。
「強化も育成もお金がかかる。ティア1(強豪国格付け)になって他のチームと肩を並べて試合できるようになるには資金面が重要な要素。強化が成功していいサイクルができるように、清宮副会長、岩渕(健輔)専務理事と話をしているところ」
 
 来季がスーパーラグビー参戦のラストシーズンとなるサンウルブズも代表強化のもう一つの柱だ。2018年からサンウルブズのゼネラルマネージャーを務めている。タフな戦いを間近で見てきた立場でもあり、来季の青写真も頭にある。現在、渡瀬裕司CEOを中心に組閣が進んでいるが、「(スーパーラグビーは)本当にタフなリーグ。強化のために若い選手を使えば、と言いますけど、3試合負けると選手もコーチ陣も本当に疲弊していく。そういう意味で、どうやってギリギリの試合を勝てるか、いま考えているところです」。選手確保に関しては、シーズンと重なるトップリーグのサポートを要請していく。

 22日、大久保直弥氏が来季サンウルブズのHC候補に挙がっていると報道がされた。報道の通りに就任すれば、サンウルブズ→日本代表HC就任という流れも、当然考えられる。「ヘッドコーチうんぬんというよりも、彼も(アシスタントコーチとして)1年やって、かなり打ちのめされてきた。どれだけできるのか。その中で実際本当にいけるか判断していく」と語った。

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