東京オリンピックのメダルデザイン発表 立体的な渦状で光り輝く
2020年の東京オリンピック開幕まであと1年となった7月24日、大会組織委員会は、選手に授与するメダルのデザインを発表した。
開催都市のオリジナル色が出る裏面は、光や輝きをテーマとし、組市松紋の大会エンブレムを中央に、周りは立体的な渦状になっている。曲線はそれぞれ異なる角度で彫られ、無数の光を集めて反射させるデザインとなった。「アスリートや周りで支えている人たちのエネルギー」「多様性と調和」という思いも込められている。
メダルデザインコンペティションには421人のエントリーがあり、2000年シドニーオリンピックの女子マラソン金メダリストである高橋尚子さんら13人の審査会メンバーにより、デザイナーの川西純市さんのアイデアが採用された。
おもて面のデザインは、国際オリンピック委員会により、ギリシャのパナシナイコスタジアムに立つ勝利の女神ニケ像、東京2020オリンピックの正式名称およびオリンピックシンボルの要素を含めた構図と規定されている。
大会組織委員会によれば、このメダルを製作するにあたり、「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」を実施。全国から使用済み携帯電話等の小型家電を提供してもらい(全国参加自治体による回収:約7万8985トン、NTTドコモによる回収:約621万台)、これらから集めたリサイクル金属を原材料にメダルを製作するという。オリンピック・パラリンピック大会史上初の試みだ。
メダルの重さは金が約556グラム、銀が約550グラムで、いずれも夏季オリンピック史上最重量。銅は約450グラム。大きさは直径85ミリで、厚さは最大部分12.1ミリ~最小部分7.7ミリとなっている。
メダルリボンのデザインには、東京2020大会を象徴する藍と紅を使用し、日本らしい組市松紋を用いたデザインは祝祭感とともに多様性と調和を表現している。また、視覚に障がいのある人が、手で触れることで順位がわかるように、裏側にシリコンプリントで金メダルには1つ、銀メダルには2つ、銅メダルには3つの凸の加工を施している。
東京オリンピックのラグビー競技(7人制=セブンズ)は、約4万8000人収容の東京スタジアムが会場となり、男子は7月27日~29日、女子は7月30日~8月1日におこなわれる。