国内 2019.07.02
船に飛び乗る勇気を 千葉商科大・創部50周年式典

船に飛び乗る勇気を 千葉商科大・創部50周年式典

[ 編集部 ]

 フィットネストレーニングを行なっていると、一人の選手が追い込みすぎて倒れ込んだのだ。15人揃わず、いつ試合ができるかも分からない状況で、決して言い訳することなく、目の前のラグビーに真剣に取り組んでいる姿を見た鷲谷監督は、「彼らのために全てをかける」ことを決意したという。

 オフの日に高校へ出向き、高校生をスカウトする日々が始まったが、部員が少ないチームで申し訳ありませんと、いつも頭を下げてばかりいた。

 北は北海道から南は九州まで全国各地でのスカウトを2年間続けたが、受験してくれる高校生は一人も現れなかった。そんなある時、大学時代の友人の言葉が鷲谷監督を変えた。

「引け目を感じる必要はない。選手も鷲谷も一生懸命やってるんだろ? もっとお前の志を語れよ」

 高校生には、チームにかける情熱を堂々と語るようになった。

「この船に乗りたい者は手を挙げてくれ」というスタンスに変えたのである。すると、千葉商科大を選択肢に加えてくれる高校生は次第に増えていき、4年目には11人が入部。ついに念願の15人単独チームとなった。
 
その年に入替戦で勝利、5部昇格。その翌年も10人が入部し、4部昇格を達成。そして今年は18人が入部し40人を越える所帯となった。さらに、今年から元NECの森田茂希氏もコーチを務めるなど、チームの揚げた帆には今、強い追い風が吹いている。

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