【ラグリパWest】神戸で人生初めての日本一を。平原大敬(神戸製鋼PR/HO)
平原は、日本代表がキャンプを張る温暖な宮崎県の出身だ。
中2から宮崎ラグビースクールで競技を始める。高校は高鍋。3年間、全国大会に出場した。ナンバーエイトでレギュラーになった2年時(2003年度)は1回戦で國學院栃木に5−19、次年は2回戦で流経大柏に19−31で敗れた。83、84回大会だった。
帝京大ではU19日本代表に選ばれる。フッカーに転向して、2年からポジションをつかむ。3年からプロップもカバーした。
大学選手権は初戦(7−10京産大)、4強(5−12早大)、決勝(10−20早大)でそれぞれ敗退する。43〜45回大会だった。
平原が卒業した年から9連覇が始まる。
就職は地元九州のコカ・コーラを選んだ。当時、採用担当だった西村将充は話す。
「100%ラグビー野郎って感じです。ピュアでラグビーが大好き。会社案内をした時、いきなりトレーニングをしだしました」
福岡・香椎のグラウンドに付随するウエイトルームを見て感動する。バーベルに組みついた。純粋さがわいて出る。
コカ・コーラには8年いた。
ジャパンの下に属する日本代表Aや九州代表に入った。最後の2年はラグビーに集中するためにプロになった。複数年が終わり、契約満了。更新はなかった。チームは若手への切り替えを図る。その後、豊田織機入りし、神戸製鋼にやって来た。
港町・神戸の日々は楽しい。
「海があって、山があっていい街です。静かですしね」
シングルのため、会社の独身寮に住んでいる。食事の心配はいらない。
「クラブ最年長ですが」
目じりを下げ、照れ笑いを浮かべる。
この深紅のチームで特に気に入っているのは、医療体制だ。
「ラグビー人生、30歳を越えれば体力は自然に落ちていくもんだと思っていました。でも、まだまだ自分に可能性があることがわかりました。トレーナーやマッサージ…。ラグビーをやれる面白さを与えてもらっています」
メディカル部門の充実はリーグ屈指。通常の倍から3倍の人数をかける。チームドクターは7人。伝統として地元の神戸大医学部と提携する。アスレチックトレーナーも5人いる。選手ファーストの姿勢が平原に響く。
1年目の目標を口にする。
「スタメンで試合に出ること。ポジション的なこだわりはありません。両方をやらせてもらって、どっちも面白みがあります。そして、日本一を獲りたい。大学から目指していますが、まだそこに到達できていません」
昨年度のトップリーグ制覇は、神戸製鋼にとって2003年度のリーグ創設以来、15季ぶりだった。平原の念願成就のためにも、この最良の時を伸ばしたい。
そのために、2番と3番をこなしていく。