ワールドカップ 2019.06.13
「優勝国は日本。本気です」 五郎丸、畠山ら2015戦士の思い

「優勝国は日本。本気です」 五郎丸、畠山ら2015戦士の思い

ラグビーワールドカップ2019日本大会 100日前イベント②

[ 編集部 ]

「4年前の南アフリカ戦だって、戦う前から日本が勝つなんて、信じていた人はいますか。皆さん誰一人、考えていなかったと思います。ラグビーではそれが起きる。希望を持って、一緒に日本代表を応援していきましょう」

 先立って優勝予想を問われた畠山は、「予想は、つまらないので」と前置きした。

「僕は、希望について話したい。今回は、ティア2の国に優勝してほしい」

 ティア2は、世界で中堅をなす国々を指し、日本もそこに含まれる。ラグビー界で認識されている格付け上位国はニュージーランド、イングランドなど10か国で「ティア1」と呼ばれる。ワールドカップは常にそれらの強豪国、伝統国で開催されてきた。

「今回は、ラグビーワールドカップ史上初めて、ティア2で大会が開催されるのだから、優勝国もティア2から出てきたらいいなと思う。ラグビーの意義、日本開催の意義が出てくる。それ(優勝するティア2国)が日本だったら最高です」

 ともに、2015年日本代表として前回ワールドカップを戦い、南アフリカを倒し、大会3勝を挙げた朋友だ。五郎丸と畠山が発したメッセージには響きあうものがある。

4年前、同じように大会前の時期を過ごしていた日本代表は、激しく緻密なトレーニングが大詰めを迎えていた。当時のヘッドコーチ、エディー・ジョーンズ(現イングランド代表監督)は厳格で容赦のない指導。闇雲に選手の体を追い込むのではなく、リカバリー(効率的な疲労除去)などにも科学的アプローチを徹底していた。その分、選手たちにとっては、精神的にも逃げ場がなかった。

畠山が振り返る。

「4年前の今頃は、ちょうど同じように宮崎の合宿に入るところ。ずっとみんなで一緒に過ごして、1か月のうち休みは2日しかないようなハードな日々でした」
「サントリー時代に一度、僕がリカバリーのためのアイスバスに入らないで帰ったことがあったのですが、その時は本当におしっこちびりそうになるほど、怒られた」

 選手たちの、トレーニングに対するストレスは限界近くに達していて、それでもエディー監督は、「ジャパン・ウェイ」を貫いた。

 五郎丸にとって当時、最大のテーマだったのはプレースキックの成功率だ。

 キックモーションに入る前の独特のルーティンは、忍者ポーズとして一世を風靡したが、大会後しばらくして、五郎丸はこの動作を変えている。理由を問われて答えた。

「当時、エディーさんに言われていた成功率の目標は85㌫でした。その数字を達成するために、4年間かけて一つひとつ積み上げてきた表れの一つが、あのルーティンだったのですが、結局僕はその数値を達成できなかったんです。何かが足りないと思って、その後も試行錯誤していた」

「自分が一番大切にしているのは体重移動。それ以外の要素はできるだけ削ってシンプルした。それが、ルーティンを変えた理由です」

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