日本代表 2019.05.27
女子ラグビー界のトンプソン ルーク。櫻井綾乃のロック魂。

女子ラグビー界のトンプソン ルーク。櫻井綾乃のロック魂。

[ 編集部 ]



 筑波大でプレーしていた父・清さん、兄・崇博さんの影響を受け、3歳のときに高崎ラグビークラブに入った。母・美江さんもラグビーをプレーし、レフリーを務めた。
 高崎女子高時代は学校にラグビー部はなかったが、アカデミー合宿などに招集されて実力を蓄えた。日体大に進学し、競い合える仲間や確かなコーチングと出会い、さらに進化した。

 この春からNTTファシリティーズに入社し、毎日午前は仕事に就いている。
 午後はアスリートとして個人練習に取り組み、所属するアルテミスターズでチーム活動を続ける。
 恵まれた環境への感謝を忘れない。

 ユース時代にはセブンズアカデミーで活動し、大学進学後と現在は太陽生命ウィメンズセブンズシリーズなどもある。
 そのため7人制ラグビーの活動が普段は長いが、本人は15人制に重きを置く。

「7月には(15人制代表の)オーストラリアツアーがあります。以前からセブンズと15人制の切り替えをその場その場でやってきましたが、ツアーが決まってからは、余計に切り替えやすくなりました。セブンズでやっていることを、15人制でも活かします」

 セブンズでも献身的な動きは変わらない。キックオフで体を張り、攻守に動きまくる。クラブの成績は伸びていないが(太陽生命ウィメンズセブンズ東京大会は11位)、獅子奮迅の働きに、ファンの中には「個人的(大会)MVPは櫻井綾乃」とツイートする人もいた。

「トライをたくさん取るわけでもない私のことを見ていてくれて、そんな評価をしてくれるなんて。すごく嬉しいし、モチベーションになります」
 律儀な性格。ツイートの主にも、同様の返事をした。

 愛称はピチ。高校生の頃、海外遠征の直前に買った服がピチピチしすぎたことが理由だが、疲れ知らずで、いつまでたってもピチピチしていることが理由と思っていた人も少なくない。
 テストマッチ2試合を含む豪州ツアーまで、あと1か月半。ワールドカップまで、あと2年。バックロー並みの走力を持つLOとして進化し続ける。

レズリー・マッケンジーHCの精力的な指導が続く。(撮影/松本かおり)


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