サンウルブズ、元王者ハリケーンズに惜敗。「プレッシャーの中での経験を積み重ねるしかない」
しかし、ハリケーンズはあわてなかった。
「前半はこちらが多くミスをして、それを相手に突かれた。後半は、いつも自分たちがやっていることを実行するだけだった」(ハリケーンズのゲームキャプテン、TJ・ペレナラ)
後半はハリケーンズが支配する。49分(後半9分)、サンウルブズがディフェンスでプレッシャーをかけてきたところへCTBンガニ・ラウマペが裏にキックでボールを転がし、タッチライン際で確保したWTBベン・ラムが左隅にフィニッシュ。
59分には、敵陣深くでLOイサイア・ウォーカー=レアウェレがキックチャージし、FBチェイス・ティアティアがトライを決め、コンバージョンも成功で1点差となった。
そして67分、サウンウルブズのラインアウトが乱れ、攻めに転じたハリケーンズはボールをつなぎ、右WTBウェス・フーセンが自らキックしたボールを快足で追って競り勝ち、さらに足にかけてインゴールで押さえ逆転した。
6点を追うサンウルブズはラスト10分間、敵陣深くで猛攻を続けたが、ハリケーンズは耐え、スクラムでのターンオーバーも勝負の分かれ目となった。奮闘したサンウルブズだが、ラインアウトなど大事な場面でミスもあり、金星獲得とはならなかった。
サンウルブズのゲームキャプテンを務めたダン・プライアーは、「訪れたチャンスは必ず、ものにしなければならない。最後のラインアウトのように、プレッシャーを受けてミスをすると、強いチームは必ず、そこを突いてくる」と悔しがった。
ブラウン ヘッドコーチは、「どんなチームとやっても勝てるだけのラグビーはやっている。ただ、後半は自分たちでプレッシャーに押しつぶされてしまった。それを克服するには、『プレッシャーの中でラグビーをする』という経験を毎週積み重ねるのみだ。毎週やって、それを何年も積み重ねるしかない。ハリケーンズのように優勝経験のあるチームには、それがある」とコメントした。
2020年を最後にスーパーラグビーから撤退することになったサンウルブズだが、その残念なニュースのあと初めて臨んだ国内ホームゲームで、ファンの熱い声援もあり選手たちは奮闘した。
ハリケーンズのペレナラは、「このスタジアムはとても雰囲気が良かった。もちろん、僕らが応援されているわけではないのだけど、ファンの皆さんが、ラグビーそのものを楽しんでいることが伝わってきた」と、フライデーナイトの熱戦を振り返った。
サンウルブズは今季これで2勝7敗。次週は秩父宮ラグビー場でハイランダーズ(ニュージーランド)に挑む。