海外 2019.03.23

サンウルブズに興味? 過去に除外のフォースを中心とする国際大会が開幕

[ 編集部 ]
サンウルブズに興味? 過去に除外のフォースを中心とする国際大会が開幕
フォースのランナーを止めようとする世界選抜の福井翔大(Photo: Getty Images)

 オーストラリアのパースで3月22日、「Global Rapid Rugby(グローバル ラピッド ラグビー)」が開幕した。この大会は、2017年8月にスーパーラグビーから除外されたウェスタン・フォースを支援する大富豪、アンドリュー・フォレスト氏によって発案され、2018年にエキシビションとして開催された「World Series Rugby(ワールド シリーズ ラグビー)」が発展したもの。アジア・太平洋地域でブランドを立ち上げ、今年は、パースを拠点とするフォースが、アジアシリーズでは、サウス・チャイナ・タイガース(香港)、アジア・パシフィック・ドラゴンズ(シンガポール)と、パシフィックシリーズではフィジー、サモアのチームと、それぞれホーム&アウェイ方式の総当たり戦をおこなう。

 22日のオープニングゲームでは、フォースが招待チームの世界選抜(WORLD XV)と対戦し、26-16で勝った。
 世界選抜を率いたのは、前身のワールドシリーズラグビーに参加したパナソニック ワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督で、ワイルドナイツに所属する平野翔平、藤田慶和、福井翔大も出場。世界選抜にはほかに、サントリーサンゴリアスの小野晃征、清水建設ブルーシャークスの石田一貴も名を連ね、かつてフォースに在籍した人気者のニック・カミンズが久しぶりにパースに戻ってきたことでも注目され、1万1368人の観客が集まった。

世界選抜には小野晃征、藤田慶和、平野翔平、福井翔大、石田一貴のほかに、
アンドリュー・エリス(神戸製鋼)、ディグビ・イオアネ(パナソニック)、ジオ・アプロン(トヨタ自動車)、
ロビー・ディーンズ(パナソニック監督)、ジェイク・ホワイト(トヨタ自動車監督)の顔も
(Photo: Getty Images)

 スーパーラグビーでは、2020年シーズンを最後に日本チームのサンウルブズが除外されることが決まったが、オーストラリアやニュージーランドの一部メディアでは、この「グローバルラピッドラグビー」がサンウルブズの“ライフライン”になるのではないかと言われている。
 スーパーラグビーを統括するSANZAARは、アジア・太平洋地域で下部大会を新設することを検討しているが、フォレスト氏もまた、将来的に、日本やハワイ、ニュージーランドからもチームを集め、さらには、中国、インド、UAE、マレーシア、スリランカ、韓国にも視野を広げている。

 オーストラリア人ジャーナリストのバリー・ロス氏によれば、SANZAARやオーストラリアラグビー協会からフォレスト氏に協力する具体的な動きは未だなく、フォレスト側のスポークスマンは「グローバルラピッドラグビーはアジア版スーパーラグビー計画とは関係がなく、(手を組むという)報道は間違っている」と語ったという。

 世界選抜を率いたディーンズ監督は、「サンウルブズはグローバルラピッドラグビーで復活すべき」と考えているようだ。日本のラグビー事情を知るディーンズ氏はフォースとの試合後、オーストラリアのメディアに対し、「彼ら(サンウルブズ)はそうしなければならない。日本はトップリーグと国際レベルの間で何かを必要としている…。うまくいけば、彼らは動くだろう」とコメントしている。

試合後、大勢のファンに囲まれたニック・カミンズ。パースの人々は新大会を楽しんでいる
(Photo: Getty Images)

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