国内 2018.08.31

地域に愛されるチームへ。日野レッドドルフィンズ、開幕戦勝利の大きな意味。

地域に愛されるチームへ。日野レッドドルフィンズ、開幕戦勝利の大きな意味。
多くのファンの前で勝利を挙げた。(撮影/松本かおり)

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日野を引っ張るLO村田毅主将。(撮影/松本かおり)
 最初はセミの声がよく聞こえていた町田市立陸上競技場に、やがて「コール」が響き渡るようになっていった。
 今季から初めてトップリーグで戦う日野レッドドルフィンズが、開幕戦で宗像サニックスブルースに完勝した。33-3の快勝だった。
 日野は宗像サニックスにPGで先制を許すも、前へ出続けることでリズムを掴んだ。
 スクラムで前へ。ラインアウトをしっかりキープし、相手にプレッシャーをかける。ディフェンスでも鋭く前へ出て勢いをつけた。
 試合途中、赤いジャージーがモールを組むと地元サポーターから「トントントントン日野の2トン」の声がかかる。
 3-3から奪ったファーストトライも、ゴール前のラインアウトからFWがいっきに出て、FLアッシュ・パーカーがインゴールに入ったものだった。
 前半を17-3とリードして終えた勝者。まだ安全圏ではなかったが、前半36分に奪ったトライはチームに勇気を与え、相手の心を折ったかもしれない。
 宗像サニックスが攻め込んでいた。
 しつこく守り続けてミスを誘う。WTB小澤和人がこぼれ球を拾って前進。キックを敵陣深く蹴り込むと、タフにチェイスし続けたSH橋本法史がインゴールに持ち込んだ。
 粘り強く守り切って、いっきに攻略。ただの7点ではなかった。
 後半を16-0と零封し、最終的に大きな差をつけた日野。最後は先発から全員が交代したフロントローがスクラムを押し込んでトライを奪い、チーム力の充実を見せた。
 初昇格の初試合を勝ち点5、30点差という充実の内容で飾った細谷直監督は、高いパフォーマンスを出した選手たちを愛でた。
「試合に出ないメンバーが仮想サニックスになり、練習でやってくることをくり返してくれた。全員が、見たことある絵だと感じながらプレーできた結果だと思います」
 特に、前に出続けながらもアウトサイドの強力ランナーを走らせなかった防御に高い評価を与えた。
 敗れた宗像サニックスのPR杉浦敬宏主将も「圧力を受け続けて自分たちの形を出せなかった。もっとフェーズを重ねたかったが、思っていた以上のディフェンスで、それをさせてくれなかった」と振り返ったように、この日の勝者はひとつにまとまって前に出た。
 LO村田毅主将も、「それぞれが思いを持って臨んだ試合でまとまれた」と話し、「ファンの声援が背中を押してくれた」と笑顔を見せた。
 今季から企業名をチーム名から外したレッドドルフィンズ。選手たちはシーズン前からイベントや日常を通し、自分たちの存在感が地域の中で少しずつ大きくなっているのを感じていたという。
 多くの人が期待を持って見つめる中で勝った。
 ただの1勝ではないだろう。
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