海外 2017.12.06

「スクラム、ハードワークで貢献する」。サンウルブズ3季目、具智元の思い。

「スクラム、ハードワークで貢献する」。サンウルブズ3季目、具智元の思い。
184センチ、122キロと堂々の体格。日本代表キャップ2。(撮影/見明亨徳)
 12月4日、2018年シーズンを戦うサンウルブズの第1陣スコッドが発表された。
 参入3季目、指揮を執るジェイミー・ジェセフ新ヘッドコーチ(HC)は「トップ5」を目標に掲げた。日本代表HCとして選手を知る指揮者は、スコッドを「過去2シーズンよりも強いチーム」と評した。11月の欧州遠征でフランス代表と23-23で引き分けた日本代表から16人が選ばれた。
 その中に同遠征で代表初キャップを得たPR具智元(グ・ジウォン/ホンダヒート)がいる。サンウルブズへの選出は、自身が拓大3年生だった初年度から3季連続となる。
「選ばれて素直にうれしい。2019年ワールドカップに出場するためにサンウルブズが大切」と話す。 
 2016年、最初のシーズンは控えPRだった。しかも、専門の「3番」ではなく「1番」で起用された。
 2017年はスクラム番長こと長谷川慎コーチがチームにに加わった。具は「3番」起用を前提に選ばれたが、同コーチが求めるスクラムのレベルに達せず、ケガも重なった。出場は終盤、第16節のストーマーズ戦から(15-52で敗戦)。最終戦、秩父宮ラグビー場で戦ったブルーズ戦は3番を背負って先発し、48-21と2勝目に貢献した。
 しかし、昨季はわずか2試合の出場で、サンウルブズでの通算キャップは2シーズンで6。チームも1年目は1勝で総合18位(最下位)、2年目は2勝で同17位と沈んだままだった。
「2年目までは試合に出ることができなかった。3番で出続けること。スクラムはもちろんハードワークをする」と決意を語る。
 サンウルブズの第1列の顔触れを見れば、2017年はヤマハ発動機ジュビロ、2018年はパナソニックワイルドナイツのメンバーが占める。具は、「みんなスクラムも強い。それにフィールドプレーができる」と話す。
 初スコッド入りのヴァルアサエリ愛は同じ3番だ。代表でもライバル。具は「(代表で学んだ)ディフェンスも身につけてアピールしたい」と前向きだ。
 日本にやって来た中学時代からの夢、日本代表を経験し、スクラムで少し自信を持った。
「フランスにはいける感じでした。全然、押し負けなかった。ディフェンスも出せた」
 欧州から帰国後、ホンダに合流した。チームは来季のトップリーグ(TL)昇格をかける「トップチャレンジリーグセカンドステージ」の開幕を12月10日に迎える。
 ファーストステージは7戦全勝で首位。しかし、セカンドステージで結果を残さないと意味がない。4強で争う同ステージで1位となったチームのみがTLへ自動昇格できる。
 ともに代表で戦ったホンダWTBレメキ ロマノ ラヴァ(2108年サンウルブス初招集)とケガ無くチームに戻った。
「今は(ヒートの)試合に集中したい。そして来年は代表のみんなと同じ舞台(TL)に立ちたい」
 初戦は九州電力キューデンヴォルクスだ。
 その試合の前日(12月9日)、気になる試合がある。
 母校、拓大の関東大学リーグ戦1・2部入替戦だ。今季1部7位となった拓大は、2部2位の立正大と戦う。
「遠藤さん(隆夫監督)に電話しました。『去年までいたので自分のチームと同じ。ぜひとも1部に残って欲しい』と」
 拓大1年時に1部の最下位となり、入替戦でも負けて2年時は2部で過ごした。1ランク上の舞台で戦うノルマを自分と後輩に課す。
(文/見明亨徳)

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