国内 2017.01.18

日本ラグビー選手権、来季から大学枠撤廃! 理事会で最終決議

日本ラグビー選手権、来季から大学枠撤廃! 理事会で最終決議
2年前の日本選手権でトップリーグチームのNECを倒した大学王者の帝京大(撮影:矢野寿明)
 日本ラグビーフットボール協会は1月18日、本日開かれた理事会において、2017年度以降の日本選手権大会に大学チームが出場しないことを最終決議したと発表した。これに伴い、2017年度以降の日本選手権は、トップリーグの総合順位決定トーナメントを兼ねることになる。
 2016年から南半球リーグのスーパーラグビーに日本からサンウルブズが参戦するようになり、年間試合数は増え、トップクラス選手のオーバーワークやサンウルブズの準備期間不足などが問題となっていた。
 このような現状を鑑み、日本協会は日本選手権の大会方式の見直しについてトップリーグおよび大学チームと協議を重ねてきた。
 そして、日本代表が2019年のラグビーワールドカップを最高の状態で迎えるためには、シーズンストラクチャーの見直しとラグビーワールドカップ2019に向けた選手のコンディション等を含むウェルフェアを最優先にするべきであると最終判断し、今回の大会方式変更を決議したという。
 日本協会は1960年度、ラグビー人気の衰退を打開するために日本一を決める大会の実現に踏み切り、NHK杯争奪戦の名のもとに、全国社会人大会優勝チームの八幡製鐵と、大学からは日本大学が日本協会に推薦されて戦ったのが、日本選手権のルーツといわれている。
 そしてNHK杯は発展的に改組され、1964年3月に第1回日本選手権を開催。社会人2、大学2の4チームで争われ、初代王者は同志社大学だった。
 その後、早稲田大学、日本体育大学、明治大学、慶應義塾大学も社会人チームを倒して日本一になったことがあるが、大学勢が優勝したのは第25回大会(1987年度)の早大が最後。第32回大会(1994年度)では学生王者の大東文化大学が神戸製鋼に14−102と惨敗し、社会人と大学の優勝チームが覇を争うワンマッチシステムを改め、出場枠を拡大した第35回大会(1997年度)からは社会人チーム同士の決勝が続いていた。
 第43回大会(2005年度)に早大がトヨタ自動車を倒したのに続き、第52回大会(2014年度)には帝京大学もトップリーグチームのNECから勝利。大学選手権で前人未到の連覇を続ける帝京大は昨年度、ワールドカップやスーパーラグビーの関係で19季ぶりに社会人王者×学生王者の一騎打ちとなった日本選手権でパナソニックに敗れたが、奮闘した。
 そして、大学枠撤廃前最後となる今年度の第54回大会に、帝京大は唯一の大学チームとして参戦する。1月21日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれる準決勝で挑む相手は、トップリーグチャンピオンのサントリーだ。

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