コラム 2016.08.10

【編集部「ラ」的雑記帳/リオ編?】NZに勝った! 一躍人気者に。

【編集部「ラ」的雑記帳/リオ編?】NZに勝った! 一躍人気者に。
スタンドの人気者、服部貴紀さん。暑い中で熱い、熱い。
 上半身裸のひとりの男が「ニッポン、ニッポン」と叫び続けている姿を最初は好奇の目で見ていた。しかし、やがて周囲の観客たちも一緒になって声を出し始めた。
 ジャパン、ニュージーランドに勝つ!
 開催中のリオ五輪で、8月9日から7人制ラグビーの「男子」が始まった。男子セブンズ日本代表はプールCの初戦でニュージーランドに14−12で勝ち、続くイギリス戦では19−21。優勝候補の一角を倒し、大男たちを追い詰めた赤と白のジャージーはこの日、スタジアムの人気者となった。
 ニュージーランドを倒して場内を熱狂させた14分間、上半身裸で両手に扇子、そして大声を出し続けたその人は服部貴紀さんだった。この6月までの2年間、中央アジアのキルギスでラグビー普及に力を注いできた。
 日本ラグビー協会がアジアラグビーへの貢献活動として実施している「アジアンスクラムプロジェクト」。2013年からはJICA(独立行政法人国際協力機構)の協力も得て実行しており、服部さんはJICA青年海外協力隊(ラグビー職種)の隊員として現地で愛された。タンザニアで活動した経験もあり、そこではU19同国代表のコーチを務め、キルギスでは代表チームも指導した。人懐っこい性格はリオでも変わらず、ジャパンの活躍と相まってスタジアムの有名人になっていた。
 ラグビーの会場となっているデオドロスタジアムは男子競技開始とともに、観客の数がさらに増えた。ファイナルのチケットは完売だそうだ。1万5000人収容の同競技場観客席はそのすべてが仮設スタンドも、ファンと選手の距離が近くとても観戦しやすい。
 チケットは、例えば男子1日目なら各プールの対戦1巡目の6試合で1チケット、2巡目の6試合でまた別の1チケットが必要と、ファイナルまでの3日間で計6種チケットが必要となる。ファンは6試合ごとに一度外に出され、2時間ほどスタジアム外のスペースで待たされることになる。
 2020年東京五輪のセブンズの会場は味の素スタジアム。観客席とピッチの距離が遠いなあ。今回と同じように数試合ごとに入れ替え制にするのかなあ。今大会を視察している人々の体感が活かされることになる。
(田村一博)

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