国内
2016.06.12
関東大学春季大会グループC 晴れのち曇りも、終了間際に関東学大が勝負強さ
前半、ミッドフィールドでゲインを繰り返した関東学大。7点差で勝利を手にした
(撮影:矢野寿明)
関東大学春季大会グループCは6月12日、専修大伊勢原グラウンドにて3勝1敗で並んだ関東学院大と専修大が激突した。昨年の1部・2部入替戦以来の対戦で、攻守が目まぐるしく入れ替わる激しい戦いの末、関東学大が40−33と白星を手にした。関東学大は勝ち点で日大と並び首位も、得失点差で及ばずグループC2位となった。
前半は関東学大が支配。素早い展開からオーバーラップには確実にパスを出すなど得点機をモノにして、32分にはWTB佐々木修弥のトライで21−0とリードを広げる。その後1トライを許して迎えた前半終了間際にはFWのサイド攻撃からLO長沼智貴がトライを挙げ、28−7としてハーフタイムへ。
「取るべきところできちんと取れた前半でしたが、後半はその部分が崩れて、試合展開にも影響した」と関東学大・板井良太監督が振り返るように、後半も敵陣には迫ったが、専大の防御がしぶとさを増すとペースを譲る。3、13分と専大が2トライを奪い19−28と詰めた19分過ぎ、関東学大は敵陣ゴール前でNO8宮川智海主将らFWがラッシュしたが、これも専大がターンオーバーに成功。専大は29分にWTB池田大芽のトライで2点差に迫ると、後半36分には1年生WTB夏井勇大が中央付近にトライを挙げ(ゴール成功)、33−33と同点に追いつく。
「前半は防御で見過ぎた。それでは(関東学大の)展開の素早い攻撃は止められない。後半にディフェンスを修正できると、こちらの持ち味を出せるようになった」と専大・村田亙監督。個々がしつこくボールに絡んだことで、チームディフェンスが機能。結果、自信を持つ攻撃でトライを奪える。昨年も1部でも通用したFB田辺雅文を絡めた攻撃は破壊力があり、後半のようにディフェンスが機能して我慢すれば、必ず自分たちのペースは巡って来る。そんなことを実感した後半だった。
しかし、最後に勝負強さを発揮したのは関東学大の方。終了間際にこの日再三ブレークしたCTB青山晃がスペースに走り込んで決勝のトライ。40−33と乱打戦を制した。
「怪我人があまりにも多くて苦しい台所事情でしたが、代わりに出場した選手たちが成長できたのが春季大会。ただ、今日もBKが仕留める所でエラーも多く、それがもつれる試合展開にしてしまった。競争もあり、個々が練習後もラグビーに打ち込む姿が見られるようになってきたのはいい流れでしょう」(関東学大・板井監督)
昨年からのコンビ、CTB吉良友嘉、青山は、2人が連動して相手防御を再三ゆさぶった。オーバーラップやミスマッチも瞬時に判断して、勝負する。全盛期のように相手チームにとって嫌な攻撃を繰り出せるような雰囲気を感じさせた。
春季大会を3勝2敗の3位で終えた専大。攻撃的なスクラムを組み、激しいプレーで目立ったPR梶原瑛(日川・3年)、強さも兼ね備えたSH高橋昴平(長崎南山・2年)など新たなメンバーの台頭も多く、昨年以上の得点力を期待できそうな布陣。それだけに後半の30分間を支配した要因の防御ができれば、試合運びに安定感が出るはず。
高い攻撃力を披露した専大PR梶原。防御が安定すれば楽しみな存在(撮影:矢野寿明)