国内 2016.05.04

5冠狙う東福岡がワールドユース初優勝に王手! 決勝相手は大物いる南ア

5冠狙う東福岡がワールドユース初優勝に王手! 決勝相手は大物いる南ア
イングランドの選手相手にフィジカルで負けなかった東福岡(撮影:Hiroaki.UENO)
 東福岡高校が海外の強豪も参加する「サニックス ワールドラグビーユース交流大会」で、初優勝に王手をかけた。福岡・グローバルアリーナで5月4日、同大会の準決勝がおこなわれ、東福岡はイングランドのトルロカレッジを67−7と圧倒した。7年ぶり4回目の決勝進出だ。
「昨年のワールドカップで日本代表が結果をのこして、(今年3月は)高校日本代表がU19スコットランド代表に勝った。『(相手が)外国人だから仕方ない』とはもう言ってられない。新チームを立ち上げたとき、キックオフミーティングでこの大会(ワールドユース)をまず獲りに行こうと言いました。その挑戦権を今日の試合でもらえた」
 そう語ったのは藤田雄一郎監督。言葉には熱があった。
「これで4回目の決勝。福岡で開いていただいている大会で、このステージに上がるのは責任かなと」
 準決勝、東福岡はイングランドチーム相手にコンタクトの部分でも負けなかった。ディフェンスで激しいプレッシャーをかけ続け、ボールをもぎ取れば一気にゴールへ迫った。強風のなか、12−7の接戦で折り返し、ガツンガツンと当たった疲労が後半に出るかと思いきや、バテたのは相手。トルロカレッジは東福岡のペースについていけなくなり、モスグリーンの若人たちがクイックパスでつないで何度も鮮やかに駆け抜けた。サポートもよく、計10トライ。
「ディフェンスがみんなよかったです。しっかり前へ出て止めていた。そこでチームに勢いがついたと思います」
 キャプテンのNO8箸本龍雅は快勝ゲームをそう振り返った。8日間で6試合というハードスケジュールだが、体は全然きつくないと平然と言った。
「トレーナーさんがしっかりケアしてくださるので。それに、みんないっぱい食べて、たくさん寝てるんで、体の疲れはあまりないです。1日で体力が回復できるように、みんな心がけています」
 いよいよ、決勝に臨む。かつては、ワールドユースで優勝なんて本当にできるのかな、と自信はなかった箸本だが、地道にトレーニングを重ねてどんどん力をつけ、今は全員が「獲りに行くぞ!」という気持ちだ。
「この大会を獲らないと、僕たちの今年の目標は終わってしまう。5冠が目標ですから」
 春の選抜大会は制した。そして、夏の7人制、秋の国体、冬の花園に挑む前に、ワールドユースの栄冠を手にしたい。
 その東福岡と決勝で対戦するのは、南アフリカのグレンウッドだ。2008年大会以来2回目の優勝をめざすグレンウッドは、準決勝でニュージーランドのロトルアボーイズを29−12で下した。
 将来有望なタレントがそろう。身長201センチ、体重120キロのJJ・ファンデルメッシュトは高校州代表の陸上選手(砲丸投げ、円盤投げ)としても活躍し、ルディ・デイムス ヘッドコーチいわく、走るのはチーム内で6番目に速い。準々決勝、準決勝は後半出場のインパクトプレーヤーとして起用され、豪快なランは相手チームを苦しめた。彼を含む6人がすでにシャークスやライオンズなどプロチームと契約しており、チームのほとんどがスーパーラグビーやスプリングボックス(南ア代表)を目標とする選手たちだ。
 指揮官は東福岡について訊くとこう言った。
「今大会の東福岡の試合は全部見ています。私たちは2008年と2009年にもこの大会に参加し、2009年に東福岡は決勝に進みました(グレンウッドは同年3位)。彼らを尊敬しているし、彼らはとてもすばらしいラグビープレーヤーたちです。決勝のプランを明かすことはできませんが、我々にとってかなりハードな試合になるでしょう。決勝ではチャンスでしっかり得点することが大事になる。もちろん、ディフェンスもすごく重要なのは言うまでもありません」
 東福岡が新たな歴史をつくるか。それとも、南アのグレンウッドが大きな壁となってはね返すか。5日におこなわれる決勝は、13時50分にキックオフ。

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桐蔭学園(オレンジ)は石見智翠館との5〜8位決定トーナメントで終盤に逆転勝ち(撮影:Hiroaki.UENO)

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東海大仰星に挑んだ慶應義塾(黄・黒)だが勝利ならず。稲葉監督「相手の圧力が強かった」
(撮影:Hiroaki.UENO)

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9〜12位決定トーナメントで國學院栃木から8トライを挙げたフィジーチーム(撮影:Hiroaki.UENO)
<サニックス ワールドラグビーユース 2016/5月4日 結果>
▼準決勝
・東福岡(福岡) 67−7 トルロカレッジ(イングランド)
・グレンウッド(南ア) 29−12 ロトルアボーイズ(NZ)
▼5〜8位決定トーナメント
・桐蔭学園(神奈川) 19−15 (島根) 
・東海大仰星(大阪) 38−7 慶應義塾(神奈川) 
▼9〜12位決定トーナメント
・エニセイSTM(ロシア) 23−5 ジエングオ(中華台北)
・クイーンヴィクトリア(フィジー) 48−21 國學院栃木(栃木)
▼13〜16位決定トーナメント
・大阪桐蔭(大阪) 33−19 佐賀工(佐賀)
・セントエドマンズキャンベラ(豪州) 50−10 ソウル大附属(韓国)
<サニックス ワールドラグビーユース 2016/最終日・5月5日 組み合わせ>
▼決勝
・13:50 東福岡(福岡) vs.  グレンウッド(南ア)
▼3・4位決定戦
・12:10 トルロカレッジ(イングランド) vs. ロトルアボーイズ(NZ)
▼5・6位決定戦
・10:50 桐蔭学園(神奈川) vs.  東海大仰星(大阪)
▼7・8位決定戦
・9:30 石見智翠館(島根) vs.  慶應義塾(神奈川)
▼9・10位決定戦
・10:50 エニセイSTM(ロシア) vs.  クイーンヴィクトリア(フィジー)
▼11・12位決定戦
・9:30 ジエングオ(中華台北) vs.  國學院栃木(栃木)
▼13・14位決定戦
・10:50 大阪桐蔭(大阪) vs.  セントエドマンズキャンベラ(豪州)
▼15・16位決定戦
・9:30 佐賀工(佐賀) vs.  ソウル大附属(韓国)

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