国内 2015.11.01

「ルーティーン」も「コントロール」も。世界にらむ帝京大SO松田力也

「ルーティーン」も「コントロール」も。世界にらむ帝京大SO松田力也
帝京大のSO松田力也、10月18日の慶應義塾大戦より(撮影:高塩隆)

 空前のラグビーブームの渦中、そのあおりを受けた1人は松田力也だろう。大学選手権6連覇中である帝京大SOで、プレースキックを任される。日本代表のFB五郎丸歩副将がキックの際の「ルーティーン(一定の動作)」が注目されたことで、SO松田も自身の「ルーティーン」をメディアで取り上げられた。

 岩出雅之監督には「2019年(ワールドカップ日本大会)でSOを」と期待される万能型だ。20歳以下日本代表で主将を務めたことがあり、自身も海外志向が強い。やや圧勝する試合が多い大学ラグビー界にあっても、司令塔として課題を持ってゲームに臨んでいる。

 例えば、陣地を獲得する方法について。球をもらってただ蹴るのではなく、まずは周囲のFWにランをさせてから、次のフェーズの際に蹴る。

「最初の20分、タイトな時間は相手が後ろに走るようなキックを蹴ったり…。いい形で蹴ることが、次のいいプレーにつながると思うので。ゲームのすべての時間帯をコントロールできるようになりたいですし、それをしたなかで前を向いてプレーできれば、チームのレベルも上がっていくと思います」

 身長181センチ、体重92キロ。もともと相手の死角へのランやパスを得意とする技巧派だったが、肉体強化の環境が整う帝京大でパンプアップにも成功。関係者によれば、南半球最高峰であるスーパーラグビーのサンウルブスへも加入する可能性も高い。本人は明言こそ避けるが、かねてから海外志向が強い。「可能性があれば、チャレンジしたい」。まずは11月1日、加盟する関東大学対抗戦Aの早大戦で5連勝を目指す(東京・秩父宮ラグビー場)。

(文:向 風見也)

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