女子 2015.08.17

意思通じ合う仲間。「アジアV」U20女子日本代表を支えるもの。

意思通じ合う仲間。「アジアV」U20女子日本代表を支えるもの。

u20 sakura

最高の仲間と迎える最高の瞬間。(撮影/南 大庸)

 隙のないパフォーマンスで頂点に立った。
 マレーシアのジョホールバルで開催されていた「アジアラグビー U20女子セブンズシリーズ マレーシア大会」は、最終日(8月16日)に決勝トーナメントが行われた。前日の予選を首位で通過したU20女子日本代表の準決勝の相手は、予選最下位のU20女子シンガポール代表。前日の予選対戦時の10トライを上回る11トライの猛攻で71-0。難なく突破し、ファイナルへの進出を決めた。
 
 決勝でも勢いは衰えなかった。
 U20女子香港代表を隙のない強さで圧倒した試合。先制トライを奪ったのは清水麻有だ。ライチェル海遥、高野眞希も続いて前半で3トライを挙げる。後半も山本実がハーフウェイから走り切って畳み掛けた。相手をいらだたせるスクラムでの圧力。ペナルティを犯してもすぐさまディフェンスラインをセットし、反撃の芽を断つ。最後はキャプテンの福島わさなが仕上げた。相手ゴール前スクラムから出たボールを受けると、自らタテを突いてゴール下へ。38-0。予選とまったく同じスコアで香港にシャットアウト勝ち。全勝優勝を飾った。

 今回のU20女子日本代表はセブンズアカデミーで長年ともに競い、戦ったメンバーが中心だ。福島、ライチェル、山本、伊藤優希、櫻井綾乃、立山由香里。中学生〜高校1年生の頃から始まり、カナダ、オーストラリア、南京と遠征経験も積み重ねてきた。
 すべての遠征に参加した山本は、「余計なことは何も気にしなくていいほど遠慮なくメンバー間で意思疎通が図れる」と仲間たちへの信頼を口にする。
 アカデミーでの活動を継続することで、フィットネスの向上も意識的にできている。首脳陣も継続して指導しているから、方向性もブレにくいし、選手達のレベルアップの具合やコンディションの把握も確かだ。
 また、長くラグビーをプレーしてきた選手だけではなく、高校時代はバスケットボール中心で、引退後にラグビーに打ち込み始めた薮内あゆみが活躍するなど、新たな血も加わり、いい意味での競争も激しくなりつつある。

 優勝したU20女子日本代表はこのまま香港に移動し、引き続きシリーズ第2戦となる香港大会(8月22日-23日)に出場する。今大会には中国代表も参戦。情報は未知数も、おそらくサイズもあり、もっとも手強い相手になると予想される。
 今回初采配で見事全勝優勝を果たした稲田仁ヘッドコーチは、「マレーシア大会はフィットネスで走り勝つことを目標にしてきたが、香港大会はフィジカルが必要になる。香港代表との合同練習などでできるだけ体を当てる練習を行い、中国に勝ち、香港大会も優勝して終えたい」と話した。
 8月22日、23日は、サクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)が来年のワールドシリーズ入りをかけ、フランスでの戦いに挑む週末でもある。妹分も負けてはいられない。

(リポート/ 南大庸)

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