セブンズ 2015.05.18

フィジー9季ぶりWS総合V! アメリカ初のカップ優勝、日本はシールド獲得

フィジー9季ぶりWS総合V! アメリカ初のカップ優勝、日本はシールド獲得

Japan

悔しい思いをしたが最後はシールド優勝を果たし、笑顔で激闘を終えた日本
(Photo: World Rugby / Martin Seras Lima)

 男子7人制代表による世界サーキット、「HSBC セブンズワールドシリーズ」の2014-2015シーズンが、5月16、17日におこなわれたロンドンセブンズをもって、全9ラウンドを終了した。

 ロンドンで8強入りを逃し、コアチームからの脱落が決まった日本だが、最終日に意地を見せ、シールドトロフィーを獲得してタフな戦いを終えた。9位以下のチームによるボウル準々決勝でケニアに12-24で敗れ、13位以下のシールドトーナメントへ回ったが、降格回避を最後まで争ったライバルのポルトガルを26-21で退け、フランスとのシールド決勝は21-19で逆転勝利。
 今季総合ランキング15位(コアチーム中最下位)の日本は、同11位フランスのスピードとパワーに気圧され、3連続トライを許したが、前半終了前にしぶとくつなぎ、トゥキリ ロテ ダウラアコがトライを挙げて7-19で折り返す。後半1分には、4試合の出場停止処分が明けて前のポルトガル戦でも活躍していたレメキ ロマノ ラヴァが、ハーフウェイから中央を突破し、5点差に迫った。そして、リスタートのキックオフボールを確保した日本は、藤田慶和がギャップを突いて抜け出し、逆転ゴールにつながるトライを挙げたのだった。

「ロンドンセブンズ最終日は、コアチームに残留できないとわかっていたので自分たちが今シーズンやってきたことを全部出そうと臨んだ。日本のリズムになってボールをリサイクルできている時は、ボールを動かしたいいアタックができていた。ただ、課題としている粘り強いディフェンスはまだまだコンスタントに出すことはできなかった。それが現時点での実力であり、降格という結果にもつながった」と瀬川智広ヘッドコーチ。半年以上におよんだセブンズワールドシリーズでの激闘を終え、「世界のトップチームと試合ができたことが一番の収穫。セブンズの経験値を高めていくことができ、選手、スタッフのみならず、日本ラグビーとして大きなものだった。シーズンを通してメンバーの入れ替えが多く、世界のトップと戦えるチャンスに集中して強化するための、マネージメントの課題も残った」と語った。

 坂井克行キャプテンは「コアチームに残留することができず、非常に残念。しかし1年間、セブンズワールドシリーズで戦ったという経験を11月のリオデジャネイロオリンピックのアジア予選で必ず生かしたい」とコメントしている。

 ロンドンセブンズの優勝はアメリカ。オーストラリアとの決勝は、先制されたものの、パワフルに何度も突破し、オフロードでよくつないで45-22で激闘を制した。
 1999年から始まったセブンズワールドシリーズで、アメリカがカップ優勝を遂げたのは初めて。2010年のアデレードセブンズ(オーストラリア大会)以来、2回目のカップ決勝進出で、新たな歴史を作った。イングランドやケニアで指揮を執っていた名将、マイク・フライデーをヘッドコーチに迎え、1年で一気に強豪国の仲間入りをしたアメリカ。来年おこなわれるリオデジャネイロオリンピックの出場権はまだ得ていないものの、メダル候補であり、自国開催が決まった2018年のワールドカップ・セブンズへ向けても強化が進みそうだ。

 総合優勝は、9ラウンド中4大会で栄冠を手にしたフィジー。ロンドンでは3位に終わったものの、シーズン5連覇を目指したニュージーランドや、今季2冠の南アフリカを抑え、9季ぶりに総合チャンピオンとなった。
 2014-2015シーズンの得点王はフィジー代表のオセア・コリニサウ(312得点)。最多トライゲッターは、南アのシアベロ・セナトラ(47トライ)だった。

USA

カーリン・アイルズなどスター選手が多くでてきたアメリカ
(Photo: World Rugby / Martin Seras Lima)

fiji

2005-2006シーズン以来、2回目の総合優勝を遂げたフィジー
(Photo: World Rugby / Martin Seras Lima)

<HSBC セブンズワールドシリーズ 2014-2015 総合順位>

men ws total

<HSBC セブンズワールドシリーズ 2014-2015 最終戦 ロンドン大会>

▼カップ準々決勝(1〜8位)
・フィジー 19-7 南アフリカ
・オーストラリア 31-19 スコットランド
・アメリカ 29-10 カナダ
・イングランド 21-17 ニュージーランド

▼カップ準決勝
・オーストラリア 33-7 フィジー
・アメリカ 43-12 イングランド

■カップ決勝(優勝決定戦)
・アメリカ 45-22 オーストラリア

■3・4位決定戦

・フィジー 26-12 イングランド

▼プレート準決勝(5〜8位)
・南アフリカ 31-7 スコットランド
・ニュージーランド 33-15 カナダ

■プレート決勝(5・6位決定戦)
・ニュージーランド 26-14 南アフリカ

▼ボウル準々決勝(9〜16位)
・サモア 33-14 ポルトガル
・ケニア 24-12 日本
・アルゼンチン 17-14 フランス
・ウェールズ 29-0 ブラジル

▼ボウル準決勝
・ケニア 38-7 サモア
・アルゼンチン 26-14 ウェールズ

■ボウル決勝(9・10位決定戦)
・ケニア 26-12 アルゼンチン

▼シールド準決勝(13〜16位)
・日本 26-21 ポルトガル
・フランス 35-12 ブラジル

■シールド決勝(13・14位決定戦)
・日本 21-19 フランス

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