東海大仰星が9年ぶり2度目のセンバツ制覇。圧巻の組織防御で完封勝ち
第16回全国高校選抜大会決勝が4月7日、埼玉・熊谷ラグビー場で行われ、東海大仰星が大阪桐蔭を21-0で下して優勝。2年前、同じ舞台で大阪桐蔭に敗れた雪辱を果たした。9年(8大会)ぶり2回目のセンバツ制覇である。
あいにくの雨に加え、連戦で疲れもピークだったが、両校の最後に賭ける気迫が緊張感を生んだ。先にチャンスをつかんだのは東海大仰星。敵陣深い地点でのラインアウトからモールを押し込み、SH西久保空良が先制トライを挙げる。さらに明暗を分けたのは20分のプレー。大阪桐蔭は敵陣22メートル内に攻め込みチャンスを得ると、BKに大きく展開する。SO藤高将の長いパスを東海大仰星WTB滝本悠馬がインターセプト。ゴール手前で捕まるも、好フォローしたWTB中孝祐が中央にトライを挙げ、14-0とリードを広げた。
後半は東海大仰星の防御が主役だった。大阪桐蔭が後半10分過ぎから3分強、東海大仰星ゴール前で攻め続ける。FWがサイドを執拗に攻め、リモールを試みるが、東海大仰星のサイドディフェンダーたちは倒れてもすぐに起き上がる。攻撃に対して、何度もダブルタックルで押し戻し、最後までゴールを割らせることはなかった。
「このチームはディフェンスで頑張ることでチャンスが生まれてきた」と話すのは東海大仰星SO岸岡智樹。一方、大阪桐蔭のSH杉山優平主将は持ち前のスピードで常にサイド突破を狙っていたが、「(タックル後の)準備が早くて、狙いきれなかった」。
後半28分にはPR向仲涼が駄目押しトライ。どこのチームよりも走り、タックルしたフロントローが最後に決める。日々の努力が報われた瞬間だった。
東福岡が圧倒した花園からわずか3か月。頂点を争った東海大仰星、大阪桐蔭はともに身体を張れる選手が多く、今後への期待もふくらむ。そして、さらなる進化を求めて、日本一の激戦区に戻る。