ワールドカップ 2015.03.04

ジャパンHO堀江、術後初めて公の場 7月に実戦復帰へ

ジャパンHO堀江、術後初めて公の場 7月に実戦復帰へ

Horie

ワールドカップへ向けて復活を期する堀江翔太(撮影:松本かおり)

 日本代表で32キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を誇るHO堀江翔太副将が3日、今秋のワールドカップイングランド大会に向けた決意を明かした。今季はパナソニックの主将として国内最高峰のトップリーグの2連覇に貢献。しかし、レベルズの一員として過去2シーズンをプレーしたスーパーラグビー(南半球トップレベルリーグ)への挑戦は断念していた。

 首の骨に挟まった神経が圧迫されたなか、ずっとグラウンドで戦ってきた。いつしか、じゃんけんの「パー」を作れなくなった。2月1日のトップリーグのプレーオフ決勝(対ヤマハ/○30-12/東京・秩父宮ラグビー場)を終えて間もなく、神奈川県内の病院で手術を受けた。

「だいぶ、いいと思いますよ。力はけっこう、戻って来てるかなぁ、と。握力はそこまで…ですけど」

 術後約1か月後の3月3日、都内での代表候補選手によるメディカル合宿中。いまの様子を淡々と語った。「小指と人差し指(の稼動範囲)がどんどん上がってきてます」と、左手を「チョキ」に近い形にする。
 
「やっと1か月。ついつい走ったり、何かを担いだりとか、してしまうかもしれない。ただ、そこは焦らず、しっかりと治していきたいと思います」

 首の骨の第5〜7関節周辺を開いたオペの様子を「麻酔していた。寝て起きりゃ、終わってた」。緊迫した場面と相反するような大らかな口調を不思議がられると「確かにそうすね、首、切ったんでね」。周囲を笑わせた。たくましさを印象付けた。

 メスを入れた時期の決意と心境を、こう明かすのだった。

「術後はきつかったっすね。(手術時に)筋肉を骨からはがした炎症で、最初の2、3日は痛くて眠れなかった。麻酔の関係でか、かなり気持ち悪くて吐いちゃったりもしてた。まさかそんなことがあるとは知らなかったんで、そこが一番、きつかったっすね。緊張はしましたけど、自分で選んだ道なんで。よくなっても悪くなっても、やった方が自分のなかで納得すると思ってた。まぁ、信頼している周りの人からアドバイスももらっていたんで、それに頼ろうかなって」

 希望の実戦復帰のタイミングを「7月ぐらい」としている。

(文:向 風見也)

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