国内 2015.02.14

チーフス挑戦のこと、帝京大戦のこと。 日本代表主将のリーチが独占激白。

チーフス挑戦のこと、帝京大戦のこと。 日本代表主将のリーチが独占激白。

ML

リーチ マイケル(撮影:松本かおり)

 日本代表主将のリーチ マイケル(38キャップ=国同士の真剣勝負への出場数)は、東芝の一員として参戦中の日本選手権終了後、南半球最高峰であるスーパーラグビーのチーフスに合流する。13日、都内にある所属先のクラブハウスで取材に応じた。

 一昨季のスーパーラグビーでの優勝チームへの加入だ。自身が務めるFW第3列(バックロー)にはニュージーランド代表40キャップのFLリーアム・メッサム、同22キャップのFLサム・ケインら実力者が揃うとあって、「すごいバックローのなかでチャレンジできる。楽しみ」と意気込むリーチ。本来はフィジー系ニュージーランド人だが、現在は日本国籍も取得している。札幌山の手高、東海大、東芝と長らく日本のクラブで過ごしてきたとあって、今回の挑戦も「外国のチーム」へ行く感覚で捉えているようだ。

「不思議、です。でも、ニュージーランドでプレーすることは僕にとっては必要」

 そう感じるのは、ジャパンのエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)からある言葉を投げかけられたためだ。指揮官は、現地の首脳陣の指導方針には素直に従うよう伝えながらも、主将の気質にこう苦言を呈していた。

「日本人っぽい。優し過ぎる」

 コーチに疑問点を素直にぶつける、試合に自らのピークを合わせる、キックオフと同時に力を示す…。現地の選手が持ち合わせる気概を、皮膚感覚で習得したい。だからこそリーチは、「僕にとっては必要」だと言うのだ。

 指導者の教えに耳を傾け、かつ、イエスマンとならない。相反する心のありようの両立については、こう語るのだった。

「(日本での指導者との関係について)いままでは(従順に)聞くところと、そうじゃないところ(自分のスタイルを貫く向き)があった。ただ、チーフスは(従来と)レベルが違う。まっさらにして聞く」

「自分ではそう思ってないけど、僕はどっちかと言えば日本スタイルでやってきた(かもしれない)。それを忘れて、ニュージーランド人の考えでやらないといけない。(首脳陣との意見交換を)他の選手がどうやってするのかを見るのも楽しみ」

 東芝での練習と平行させ、肉体強化など渡航に向けた準備も重ねてきた。しかし、いまは目の前の勝負にのみ集中している。なぜなら、鍛錬のフォーカスポイントを多く作ったことが、最近の試合でのパフォーマンスに悪影響を及ぼしたと感じたからだ。

 15日、東京・秩父宮ラグビー場。日本選手権2回戦に挑む。相手の帝京大は6季連続で学生王者となり、8日の1回戦では東芝と同じ国内最高峰トップリーグに所属するNECを31-25で破っている。

 東芝の副将で、当日はNO8として先発予定のリーチは、「(ふたつのことは)同時にはできない。いまは東芝に集中する」とし、こう展望を語った。

「(帝京大は)規律あるチーム。いい試合になると思います。(東芝は)FWが敵陣へいけばスコアする力がある。その時、ただキックに頼るんじゃなくて、スペースがあればそこにボールを運ぶ。やっていることを、ぶれずに、信じて、出す」

(文:向 風見也)

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