国内 2015.02.01

チャンピオンはパナソニック! ヤマハとの激闘制し、トップリーグ連覇!

チャンピオンはパナソニック! ヤマハとの激闘制し、トップリーグ連覇!

Final

ヤマハのFLモセ・トゥイアリイを止めるパナソニックのCTB林泰基(撮影:松本かおり)

 パナソニック ワイルドナイツが2季連続でジャパンラグビートップリーグを制した。東京・秩父宮ラグビー場で2月1日、プレーオフトーナメント「LIXIL CUP 2015」のファイナルがおこなわれ、パナソニックはヤマハ発動機ジュビロを30-12で下し、3回目の栄冠獲得となった。

「優勝するのは難しかった。どの試合でも、全チームがパナソニックを倒そうと向かって来る。東芝、ヤマハに(今季リーグ戦で合計)3回負けて、メンタルが大切だと学んだ。最後まで気持ちを切らずにできた。今季の優勝は価値がある」(パナソニック・堀江翔太主将)

 決勝戦。PGで先制したパナソニックは、前半8分にラインアウトからのモールドライブで相手にトライを許したものの、11分、SOベリック・バーンズのキックパスをCTB霜村誠一が確保してWTB北川智規につなぎ、逆転した。22分には左タッチライン沿いを大きくゲインしたWTB山田章仁が、敵陣22メートルライン内で倒される寸前に左足でボールをインゴールに転がし、SOバーンズが確実に押さえて追加点を奪った。まもなく、南半球スーパーラグビーに挑戦することが決まっている山田は、28分にも鋭く切り込んで自らトライを奪い、日本トップクラスのフィニッシャーであることを証明した。
 早めに点差を詰めたいヤマハ発動機は、相手がシンビンで1人少なくなった直後の33分にゴール前で攻め、WTB中園真司が5点を返したが、パナソニックがハーフタイム前にPGを決め、23-12で折り返した。

 初優勝を目指したヤマハも勇敢でアグレッシブだったが、後半、パナソニックは鉄壁の守りで相手に得点させなかった。互いに譲らず、しばらくこう着状態が続いたが、76分(後半36分)、パナソニックのWTB山田が相手CTBマレ・サウに食らいついて落球を誘い、途中出場CTBのJP・ピーターセンが素早く拾ってWTB北川智につなぎ、勝負を決めるトライが生まれた。

 プレーオフトーナメントMVPは山田章仁。パナソニックの優勝にこの男ありで、2季連続3回目の受賞となった。

 パナソニック ワイルドナイツは次の目標を日本選手権に切り替え、2季連続の2冠を狙う。同大会には、初タイトルを目指すヤマハ発動機ジュビロとともに準決勝からの参戦だ。

<試合後のコメント>

【パナソニック】
■ロビー・ディーンズ 監督
 ショータ(堀江)がマネジメントしてくれた。自分たちの限界ギリギリまで、力を出し切らなければいけない試合だった。トップリーグが始まる前に、キーマンはキャプテンと言ったが、まさにそうなった。偉大なキャプテン。一人ひとりの選手に気遣いをして、フィールド外でも彼の存在が大きかった。
(終盤、ケガ人が相次いだが)練習の中でシナリオを作りながら対応していたので慌てなかった。選手たちがよく対応してくれた。ヤマハは強いチーム。強みを殺さないといけなかった。
 チームのイチバンの成長は、しっかり適応できるようになったこと。
 (MVPの山田について)彼は成長し続けている男。(山田が加入するスーパーラグビーチーム)フォースのマイケル・フォーリーHCにも、起用するように言っている。

■堀江翔太 主将
 優勝するのは難しかった。どの試合でも、全チームがパナソニックを倒そうと向かって来る。東芝、ヤマハに(今季リーグ戦で合計)3回負けて、メンタルが大切だと学んだ。最後まで気持ちを切らずにできた。今季の優勝は価値がある。
 ヤマハのスクラムは反則ギリギリで3番が内側に来る。1番も内に。レフリーに見てもらうようにした。正当にやりたいんだけど、選手たちが対応してくれた。
 プレッシャーがあったぶん、今季の優勝は嬉しい。
 ハーフタイムには、「最後まで全員走り続けよう」と言った。後半、相手は仕掛けてくるとは思っていた。
(山田は)プレーオフになったら、全然違う人になる。懸ける気持ちが違うのだと思う。フォースでやることになって、さらに自信が出ると思う。

【ヤマハ発動機】
■清宮克幸 監督
 前半14点差にまで抑えて後半へ。そういうイメージでした。だから前半は想定内。後半チャンスはあったけれど、それをものにできずに負けた。こちらの強みを消された。パナソニックの試合巧者ぶりが我々を上回った。
 モール対策、スクラム対策と相手はこちらへの対策を練ってきた。その工夫を超えられなかった。
 ヤマハの立てたゲームプランはほとんどできなかった。

■三村勇飛丸 主将

 自分たちの強みのセットピースでプレッシャーをかけたが、思うようにかけられなかった。モールでトライを取れたのは自信になったが…。グラウンド状態は前々からわかっていた。相手も同じ。それでも圧倒するスクラムを組まないと。
(序盤のPG機にタッチに蹴り、攻めたのは)リーグ戦の終盤から自分たちの強みを出し切ることで流れをつかんできたので。
 相手の強みを消せなかったのが大きかった。(パナソニックは)キックのリアクション、ルーズボールからのリアクションがいいチーム。そこは対処していくつもりだったけれど、受けにまわってしまった。ブレイクダウンで相手2人でこちら4人。人数勝負で負けた。一人ひとりの仕事の精度で負けていた。

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