国内 2014.11.29

早稲田に2人の大物復帰! 藤田の力走に驚嘆のどよめき

早稲田に2人の大物復帰! 藤田の力走に驚嘆のどよめき

fujita

関東ジュニア選手権で元気な姿を披露した藤田慶和(撮影:高塩隆)

 2人のビッグネーム、揃って復帰。待ちに待った人が帰ってきた。11月29日の早大上井草グラウンドは、そんな空気にあふれていた。帰ってきたのは日本代表18キャップを誇るFB藤田慶和と、桐蔭学園のキャプテンとして昨冬の花園を沸かせ、今年入学したルーキーのSO横山陽介。ともにケガから長いリハビリを経て、この日の関東ジュニア選手権入替戦(対流経大)で揃って本格的な実戦復帰を果たした。

 リハビリ中は国立スポーツ科学センター(JISS)などで一緒にトレーニングをおこなっていたという2人。6月のカナダ戦で負った肩のケガからカムバックした藤田は、キレのいい走りで何度もラインブレイクするなど、別格のプレーを披露して順調な仕上がりをアピールした。ジャパンでおこなったスピードトレーニングの成果を感じさせるダイナミックなカウンターアタックには、グラウンドサイドで見守るチームメイトから驚嘆のどよめきが起こる場面も。「少し飛ばしすぎましたが(笑)、体力的には問題なかった。肩の不安もまったくありません」と笑顔で久しぶりの実戦を振り返った。

 一方の横山も自慢のロングキックで大きくエリアを進め、声でも積極的に周囲をリードするなど、よく持ち味を発揮した。1月7日の花園決勝で負傷した膝を手術し、ようやくこの秋からチーム練習に復帰。11月8日の帝京大D戦で実戦復帰を果たし(20分間)、この日、大学入学後初めて公式戦のピッチに立った。リハビリ期間に取り組んだウエートトレーニングのおかげで体もひと回り大きくなり、相手の大型FWに果敢にタックルするなど、コンタクトも無難にプレー。「緊張はしませんでした。大学に入って初めて40分出て、初めてのスタメン。やっぱりラグビーって楽しいな、と感じました」とこちらも充実の表情を見せた。

 ともに前半40分のみの出場だったが、2人の活躍が原動力となって試合は45−5で快勝。来季の1部残留が決まった。いまひとつすっきりしない戦いが続く早大にとって、このタイミングでの両者の復帰は大きな勢いとなるはず。これからクライマックスを迎える大学ラグビーシーンに、新たな楽しみが加わった。

(文:直江光信)

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