海外 2014.10.24

SANZARから通知届く! スーパーラグビー18番目チーム第一候補は日本

SANZARから通知届く! スーパーラグビー18番目チーム第一候補は日本

2016

今年レベルズでプレーしたマレ・サウ、堀江翔太、タマティ・エリソン(写真左から)。
2016年、彼らはどのチームでプレーするのかも楽しみだ(撮影:Yasu Takahashi)

 待ちに待ったものが届いた。
 スーパーラグビーを主催するSANZAR (南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアの連合組織)からの通知だ。日本ラグビー協会のもとに届いたのは、2016年シーズン以降、現在の15チームから18チームへと拡張する「スーパーラグビー」についてのもの。18番目の参加チームとして、日本チームの参加を第一候補とする通知だ。日本チームの正式参加は、すべての調整が終了後、参加契約書の調印を持って確定する。

 「日本、スーパーラグビー18番目のチームのフランチャイズ第一候補に」のタイトルで始まるSANZARが出した10月24日のプレスリリースには、こう書いてある。
 「SANZARは先に行われた執行理事会の会議を受け、日本ラグビーフットボール協会(JRFU)に対し、2016年から拡大されるスーパーラグビーの18番目のチームの第一候補となったことを通知いたしました」

 グレッグ・ピーターズCEOは、「今週の会議は、スーパーラグビーの発展において重大なステップでした。日本、シンガポールから提出された提案は双方とも素晴らしく、非常に拮抗した入札でした。この大会を新たなファン、地域、そして、マーケットに拡大したいという我々のビジョンを理解してくださった双方の候補者の情熱に感謝をいたします」のコメントに続けて、今回の参入レースが僅差の争いの中で決まったことを伝えている。

「今回は、最終的にわずかな差でこのような結果となっていますが、シンガポールからも非常に魅力的な提案を提示いただきました。我々は、将来の可能性もにらみ、今後も彼らと良好な関係を継続してまいります。
 しかしながら、この今回の執行理事会の決定を受け、SANZARでは今後JRFUのみに対象を絞って、正式な参加契約書の締結を前提としたスーパーラグビー参加のための最終調整を行っていきます。そのため、この過程が完了するまで両者からこれ以上のコメントは差し控えさせていただきます」

 日本ラグビー協会から矢部達三専務理事も、「まだいくつかの過程を経る必要がありますが、参加決定に向けてSANZARと最終調整を行い、世界最高峰リーグへの参加という新たなチャレンジへ向けて万全の準備を整えられるよう努めてまいります」とコメントを出した。

 当初は9月中に発表が予定されていた『18番目』。決定は何度も先延ばしとなり、やっと今回の結果に落ち着いた。新チームは南アフリカ・カンファレンスに入ることが決まっているため、参入レースの序盤は「(地理的に日本より南アに近い)シンガポール有利」の意見も多く出た。しかしその声は、やがて「日本濃厚」に変化。2019年にワールドカップを控えていること、ラグビーが根付いていることに加え、日本がホームゲームのいくつかをシンガポールで開催する案を示したことなどにより、朗報はすんなり届くと思われていた。
 しかし、なかなか結論に至らなかったのは、SANZAR側が求めた財政保証について、日本側がなかなか納得いくものを示せなかったからだ。その後やりとりをくり返し、両者の距離が近くなったところ今回の決断となった。

 日本ラグビー協会は5月26日に理事会を開き、スーパーラグビーへ参加する意志を表明することを決めていた。参加意思証明書を6月に提出。8月には開催案などを盛り込んだ申請書を提出していた。
 2019年の自国ワールドカップ開催に向け、強化を加速させたい日本ラグビー。近年、ティア1国と呼ばれる世界の強豪国とテストマッチを組んで強化を進めたが、マッチメイクは思うようにはいかない。そんな状況がマーケット拡大を模索していたSANZAR側の思惑と重なり、今回の参入に結びついた。

 新設される日本チームは、日本代表の強化に直結するチームとなる予定だ。2019年W杯をにらんでメンバー(日本代表有資格者、将来的にその可能性のある者)を決定。そこにトップリーグでプレーする世界的プレーヤーなどを加えることになるだろう。
 2016年のスーパーラグビーは3月に開幕予定。17週で15試合を戦う。南アフリカ・カンファレンスに入る日本は、南アカンファレンス内で10試合(同グループ内の他3チームとホーム&アウェー形式で6試合+他グループと4試合)、オーストラリア/ニュージーランド・カンファレンス(計10チーム)のチームと5試合を戦う予定だ。

Super2016

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