コラム 2014.09.24

激動 関西大学Aリーグ 10月5日開幕! “万人御礼”へ 協会も熱いぞ!!

激動 関西大学Aリーグ 10月5日開幕! “万人御礼”へ 協会も熱いぞ!!

 関西ラグビー協会が、関西大学リーグ活性化に向け、次々に手を打っている。9月22日の午前中、大阪市北区の立命館大学梅田キャンパスでは、恒例の「関西大学ラグビーAリーグ・プレスカンファレンス」が開催された。

 冒頭のあいさつで、関西協会の坂田好弘会長は「関西の大学を強くしたい。関西から再び大学王者を出したい」と熱く語り始めた。強くするためには多くの人に関心を持ってもらい、大学リーグとしての収益を上げ、それを強化、普及にあてなくてはいけない。目標は、今季の全試合で集客5万人。関東の大学ラグビーからすれば低い目標に感じるが、関西大学Aリーグは昨年3万7000人の集客。一昨年は2万人台だった。まずは、10月5日、近鉄花園ラグビー場の開幕戦には、1万人の集客を目指す。各大学の部員などからも意見を募り、「万人御礼(まんにんおんれい)プロジェクト」と題して様々な企画を実施する。また同リーグをサポートする協賛12社も発表され、リーグ強化への意気込みが感じられる記者会見になった。

 集客企画では、「ホワイティうめだ・HEP FIVE」地下入口そばに告知ボードを9月28日まで設置するほか、協会に選手登録している選手向けの招待券、学生優待デーなど設ける。「チケット大口購入パック」では、50枚以上をシルバー、100枚以上をゴールド会員とし、NZ代表オールブラックス、南アフリカ代表スプリングボクス、オーストラリア代表ワラビーズ、日本代表の各ジャージーを抽選でプレゼントする特典をつける。大口購入パックは、企業やグループでの購入も視野に入れているようだ。

 プロジェクト概要紹介の後は、全チーム監督、ヘッドコーチ、キャプテンが今季の抱負、注目ポイントなどを語った。昨年、12年ぶりの優勝を飾った立命館大学の中林正一監督は、「部史上初の関西連覇にチャレンジしたい」と話し始めた。「ただし、夏合宿から5連敗中で、昨年の主力(庭井祐輔、宇佐美和彦ら)が抜けた穴の大きさをひしひしと感じています。しかし、リーグを戦いながらチーム力を高めたいです」。続いて、昨年2位の同志社大学・山神孝志監督は「昨年のメンバーがほとんど残っているのが、うちの強み。スクラムの強さにも手ごたえがある。立命から覇権を奪いたい」と力強く宣言した。

 昨季3位の京都産業大学の元木由記雄ヘッドコーチも気合が入っていた。「今年も昨年に引き続き厳しい練習を積んできました。今年のチームは自分たちで自立し、キャプテンを中心に厳しい環境を作れるようになってきました。非常に楽しみにしています。スペースを奪うディフェンス、ボールを奪ってのアタック、京産らしいスクラムでゲームの流れを作っていきたいと思います」

 ここ数年の関西大学Aリーグは、実力拮抗の大混戦だ。それぞれ優勝を目指す抱負が続く。5年ぶりの優勝を目指す関西学院大学の野中孝介監督はこう語った。「全勝優勝を目指しています。しかし、昨年、一昨年は初戦を落とす苦い経験をしています。ピークの持って行き方、シーズンを通して成長することの大切さを経験してきたので、今年こそ全勝優勝という結果を残せればと思っています」

 今季は2年ぶりの王座奪還を期す天理大学も優勝争いに顔を出す可能性は十分だ。セットプレーに自信を持つ大阪体育大学、神戸製鋼OBの松井祥寛が新しくヘッドコーチに就任した近畿大学、2年ぶりのAリーグ復帰を果たした摂南大学が順位争いにどう絡むか。関西大学Aリーグは、何が起こっても不思議はない。最後まで目の離せない戦いが続くだろう。

 今季より、読売新聞の後援で各試合でマン・オブ・ザ・マッチの表彰も始まる。来年4月26日には、ニュージーランド学生選抜と関西学生選抜の試合が予定されており、各試合にセレクターが出向き、選手選考もおこなう。さまざまな角度から楽しめる同リーグを、ラグビーファンの皆さんも一緒に楽しんでみてはどうだろう。

チケットやグッズ販売の詳細は、関西協会のホームページにて。
http://rugby-kansai.or.jp/


(文:村上晃一)


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各大学のキャプテン。向かって左から、溝尻将己(摂南大)、斉藤遼太郎(天理大)、鈴木将大(関西学院大)、田淵慎理(同志社大)、西村颯平(立命館大)、梁正秋(京都産業大)、福本翔平(大阪体育大)、光井勇人(近畿大)。


【筆者プロフィール】
村上晃一(むらかみ・こういち) ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。ラグビーマガジン、ナンバー(文藝春秋)などにラグビーについて寄稿。J SPORTSのラグビー解説も98年より継続中。99年、03年、07年、11年のワールドカップでは現地よりコメンテーターを務めた。著書に、「ラグ ビー愛好日記トークライブ集」(ベースボール・マガジン社)3巻、「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)などがある。BS朝日ラグビーウィークリーにもコメンテーターとして出演中。

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