国内 2014.09.14

クボタが逆転サヨナラPGでA組5位に浮上! 神鋼、サントリーは4連勝

クボタが逆転サヨナラPGでA組5位に浮上! 神鋼、サントリーは4連勝

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タイトル奪還を目指すサントリーは今季負けなし。ジワジワと調子を上げている
(撮影:長尾亜紀)

 ジャパンラグビートップリーグは第4節の全8試合が終了し、プールAでは、前節に東芝から金星をつかんだクボタの勢いが衰えず、ジャンプアップしている。14日、茨城・ケーズデンキスタジアム水戸でNTTコミュニケーションズとぶつかり、CTB立川理道の逆転サヨナラPGで連勝した(29-27)。

 10-17で前半を終えたクボタは、後半早々にFL田村玲一がパワフルに突進して5点を奪うと、51分にはCTB立川が約50メートルのPGを決めて逆転。54分にもテンポよく攻めこみ、FWがゴールライン右に迫ったあと素早く左へ展開、WTB田中健太がインゴールに飛び込んだ。その後、互いにショットで3点ずつ取り合い、26-20。66分、NTTコムが敵陣深くでの相手スクラムにプレッシャーをかけてボールを奪い返し、FLの位置にいた山下弘資が逆転ゴールにつながるトライを挙げて26-27となった。が、ドラマは最後に待っていた。
 フルタイムを知らせるホーンが鳴ったあと、追い込まれたクボタが自陣深くのスクラムから縦横に18フェイズを重ね、敵陣中央で相手の反則を引き出した。ポスト正面のPGをCTB立川が決め、クボタの選手が歓喜するなかノーサイドの笛。
 激闘を制したクボタは2勝2敗(勝点8)でプールAの5位に浮上した。NTTコムは星をタイに戻し、勝点11となっている。

 そのクボタに前節で連勝を止められた東芝は、12日に東京・秩父宮ラグビー場でNECを30-26で下し、3勝1敗(勝点15)となって上位をキープした。2年目で9番を不動のものにしつつあるSH小川高廣の好走、日本代表主将でもあるFLリーチ マイケルの攻守にわたるアグレッシブな働きなどで活気づき、果敢にチャレンジしてきたグリーンロケッツを僅差で退けた。NECは1勝3敗で勝点7。

 東芝とプールAの首位を争っているヤマハ発動機も連敗はしなかった。13日に佐賀・ベストアメニティスタジアムで宗像サニックスと対戦し、52-12で圧勝。計8トライを挙げてボーナスポイントも手にし、3勝1敗の総勝点16でトップを守った。セットプレーが安定しているヤマハは強力FWで前半の主導権を握り、後半もブレイクダウンでターンオーバーしてからのアタックやモールドライブ、BKの力走などで差を広げた。
 宗像サニックスは1勝3敗で勝点5。日本代表候補のWTB/CTBカーン・ヘスケスはこの試合も後半から出場し、今季初トライを挙げている。

 連覇を目指すパナソニックは、13日に三重・鈴鹿スポーツガーデンで豊田自動織機と対戦し、今季チーム最多得点で54-5と快勝。2トライを挙げたWTB山田章仁がマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、キッカーを務めたFB三輪忠寛は1トライを含む29得点(1T、6G、4PG)の活躍でチームの勝利に貢献した。
 パナソニックは3勝1敗(勝点14)、豊田自動織機は1勝3敗(勝点5)となった。

 プールBでは神戸製鋼とサントリーが4連勝、セカンドステージのトップ8(グループA)入りに大きく近づいた。
 神戸製鋼は13日に山口・維新百年記念公園でNTTドコモと対戦し、36-26で勝利。ゲームキャプテンを務めたLOアンドリース・ベッカーが体を張ったプレーで仲間を鼓舞し、CTBフレイザー・アンダーソンのパワフルランやセットプレーなどで相手にプレッシャーをかけ続け、5トライを奪ってボーナスポイントを獲得した。
 一方、4連敗となったドコモだが、神戸製鋼の強力なモールによく耐え、29点差をつけられてもあきらめずに4トライを奪い返したファイトは、次につながるはずである。
 神戸製鋼は勝点18でプールBの首位。ドコモは勝点3で同組の最下位となっている。

 サントリーは同日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場でリコーを38-26で下した。FWが接点で奮闘し、バックラインは司令塔トゥシ・ピシの巧みなプレーメイキングもあって躍動。計5トライを重ね、ボーナスポイントを加えて総勝点17とし、プールBの2位につけている。
 リコーは後半にキャプテンの小松大祐らがゴールラインを越えて4トライを奪い返したが、今季初勝利は次節以降に持ち越しとなった。リコーは0勝4敗で勝点3。

 神戸製鋼とサントリーを追うのはトヨタ自動車だ。13日、佐賀でコカ・コーラに25-23で競り勝ち、3勝1敗(勝点14)となった。コカ・コーラは黒星を増やし1勝3敗(勝点6)。
 コカ・コーラはオーストラリア代表のニック・カミンズをアウトサイドCTBに配置し、ティム・ベイトマンとの新しいミッドフィールドコンビが機能して前半を16-8とリードした。しかしトヨタ自動車は47分、ゲームキャプテンのSO文字隆也がゴール前でギャップを突いてトライ。50分にコカ・コーラが反則の繰り返しでLO桑水流裕策が一時退出となると、トヨタはラインアウトからモールで押し込み逆転した。さらにPGを追加されて9点ビハインドとなったコカ・コーラは、59分にSH江頭翔太が鋭く切り込んで2点差に迫ったが、大事な局面での落球や反則で勢いつかず、ホーンが鳴ったあとの果敢なアタックも結局はトヨタ自動車の守りに阻まれた。

 プールBの第4節で最後に勝利したのはキヤノンだ。14日、ケーズデンキスタジアム水戸で近鉄を36-31で倒した。
 PR城彰とCTB三友良平のトライで前半を14-3とリードして終えたキヤノン。後半早々、近鉄のSO重光泰昌のナイスランがきっかけで4点差となったが、PGを決めて流れを引き戻し、45分にはよくボールをつないでキャプテンのWTB和田拓が右隅にトライ。その後も近鉄が食い下がったが、58分、キヤノンはWTB原田季郎の力走をFLアダム・トムソンがサポートしてパワフルにグラウンディング。73分にはCTBマイケル・ボンドのトライが生まれ、勝利を手中にした。
 近鉄は敗れたものの、ホーンが鳴ったあとにチーム4トライ目を挙げて5点差とし、ボーナスポイント2点を獲得している。両チームとも2勝2敗となり、キヤノンは勝点12、近鉄は勝点10でファーストステージの後半に入っていく。

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CTBシアレ・ピウタウのパワフルランもヤマハの武器(撮影:MANABU NAKAMOTO)

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