国内 2014.07.31

アシックス杯で唯一「初全国」だった高岡第一 自称「マニア」が花園見据える

アシックス杯で唯一「初全国」だった高岡第一 自称「マニア」が花園見据える

takaokadaiichi

熱心な指導者のもとで力をつける高岡第一高校ラグビー部(撮影:向 風見也)

 7月19〜21日に長野・菅平であった第1回全国高校7人制大会のアシックスカップ(アシックス杯)で、富山県代表だった高岡第一高。出場48校中で初の全国大会出場を果たした唯一のチームながら、予選プールを全勝1位で突破した。就任25年目の吉田治夫監督は、自身の休暇を利用して各地のコーチングクリニック参加や強豪クラブの練習見学を繰り返す熱心なコーチだ。次に目指すのは、大阪・近鉄花園ラグビー場での全国高校ラグビー大会である。

 アシックス杯の予選プールBでは、15人制の全国大会での経験が豊富なチームを次々と撃破。明和県央高(群馬)を17-14、名護高(沖縄)を26-19とそれぞれ制して進んだカップトーナメントでは、1回戦で御所実(奈良)とぶつかった。一昨季の花園で準優勝した相手を向こうに、「相手は決勝までの4試合を通して優勝を狙ってくる。1回戦は…かもしれない。こっちは後のことを考えずに行こう」と選手を送り出した。しかし、その視線の先で、御所実はいつものように選手が正座して竹田寛行監督の話を聞いていた。結局、高岡第一は0-45で敗れた。後に吉田監督はこう振り返った。

「(アシックス杯は)自信になった。0-45のスコアなので偉そうなことは言えませんけど、通用するところもあった。そして、本当のトップチームと肌を接して、萎縮する部分があるということもわかった。15人制の全国に行く前に気付けてよかった」
 
 砺波高でラグビーと出会った吉田監督は、富山大を卒業した1989年に高岡第一高に着任。「マニア」を自称し、日本代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)によるコーチングセミナー会場、国内最高峰のトップリーグで攻撃的ラグビーを提唱するサントリーや昨季の花園を制した東海大仰星高の練習場へ車を飛ばす。県内の有力選手が他県の強豪校に進む現状への歯がゆさと、「最先端のものに触れたい。コーチ陣がもっと先んじて勉強しなければ」という探究心がその原動力だという。

「自分のリフレッシュにもなっています。トップの選手のモチベーション高い練習を観て、何かアイデアが浮かべば、と」

 力勝負が重視されがちだという県内シーンにあって、ジョーンズHCが提唱するアタッキングラグビーを志向する。今季は昨年11月の新人戦、今年4月の春季大会、6月の高校総体で県を制覇。初の花園行きに向け、こう意気込む。

「最初から自分たちのペースでできるか(が鍵)。五分五分ではなく、相手を圧倒する力をつけたい」

(文:向 風見也)

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