国内 2014.06.04

10年目を迎えた大阪の伝統校大会。今年も京大・宇治グラウンドで熱戦。

10年目を迎えた大阪の伝統校大会。今年も京大・宇治グラウンドで熱戦。

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選手とマネージャーあわせて総勢150名。絆を深めた。

 6月1日、京都大学・宇治グラウンドに10高校のラグビー部が集まり、熱い戦いを繰り広げた。大阪府の公立伝統校によるラグビー大会は、今回が記念すべき第10回大会だった。
 この大会は10年前、当時茨木高校でラグビー部の顧問に就いていた奥野義房先生(故人)の呼びかけによって始まった。「スクール☆ウォーズ」などの放映により高校生に人気の高かったラグビーが、少子化のため部員不足に陥り、多くの高校で部の存続さえ危うくなっていた当時。奥野先生は公立高校のラグビーの灯を消すまいと、大阪でもっとも長い歴史を持つ天王寺高校ラグビー部に相談を持ちかけた。そして、茨木高校と天王寺高校の両校が、北野、四条畷、八尾、富田林、大手前、高津、生野など他の伝統校にも声をかけて、大会が始まった。

「ラグビーの持つ自己犠牲や鍛錬、協調性といった精神は、本場イギリスのパブリックスクールではもちろん、日本でも長い間、将来社会のリーダーになる人物を育てるような学校でも大切にされ、育まれてきました。しかし時代とともに、そのような学校からも真の文武両道を目指す気風が徐々に失われ、ラグビーのようなしんどいスポーツにあえて取り組むことを敬遠する風潮が出てきたことも事実です。部員減少も、そのような時代の流れによる側面が大きかったと思われます」(天王寺高校ラグビー部顧問・富野拓人先生)

 そんな時代を経て、公立高校でラグビーをするよさを知ってもらいたいと始まった大会は、「どうせやるなら花園で」の意気込みで、当初は花園第二グラウンドで始まった。お互いが切磋琢磨する試合をおこない、ラグビー部の復興と向上に努める。そのスピリットは10年間貫かれている。
 その後、舞台は天然芝となった京都大学のグラウンドへ。同大学の協力のもと、大会は続けられている。今年も宇治グラウンドに、茨木(+北野)、天王寺、四条畷、生野、合同(大手前・寝屋川・大阪市立)のチーム編成で集まり、熱い戦いの連続。お互いの交流を深め、今後も文武両道の実現に向けて、「ともに頑張っていこう」と誓いを新たにした。

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生野 vs. 茨木・北野

1398

茨木・北野 vs. 四條畷

1460

四條畷 vs. 天王寺

1470

大手前・市立・寝屋川 vs. 生野

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