国内 2014.04.10

TLトライアウトに「人生賭けた」 習志野自衛隊のLO福坪が献身ぶり示す!

TLトライアウトに「人生賭けた」 習志野自衛隊のLO福坪が献身ぶり示す!

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トップリーグのトライアウトに参加したLO福坪龍一郎(写真中央)
(撮影:松本かおり)

 日本最高峰ラグビートップリーグの合同選考会の関東地区部門が9日、東京・辰巳の森ラグビー練習場であり、キヤノンの採用担当で同選考会事務局の瓜生靖治氏によれば76人の選手が集まった。午後に組まれた試合で気を吐いたのが、クラブチームのIBMラグビーフットボールクラブでプレーするLO福坪龍一郎。昨年3月まで勤務先の習志野自衛隊のラグビー部に在籍していた身長188センチ、体重102キロの25歳は、「ラグビー人生を賭けて来ました」と語った。

 全国的には無名の鹿児島県立鹿屋工業高校で楕円球と出会う。「それまでは水泳をしていたんですが、団体競技がしたくて」。自衛官でラグビーマンだった父の影響で、同高卒業後は習志野自衛隊に入隊。関東社会人リーグ1部でプレーした。キャリアを重ねるほど、トップリーグに憧れを抱くようになった。

 昨年7月の初開催時とは違い、大学4年生以外にも対象が広げられた選考会。年齢制限のため前年度の参加を見送ったLO福坪は、今回、満を持しての参加だった。午後に組まれた試合ではモールの支柱や密集での突破役など、泥臭い役回りをこなした。公務員という立場を捨てることへの「葛藤はあった」というが、「年齢的にもここが最後。ただ、いまからならあと10年は現役でできる」と、社員選手としてのトップリーグ参戦を目指している。

「やっぱり、ラグビーをやりたい。ラグビーを通しての人間関係、いいと思うんです。関東社会人1部では、僕が一番でかいので物理的に勝ってしまう。ただのでかい奴で終わりたくない。同じ体格の選手とやり合ってどこまで通用するか、と」

 トライアウト終了後、某トップリーグチームから関心を示されたようだ。公式戦デビューは実現するだろうか。

(文・向 風見也)

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