7人制日本代表 ウェールズとの練習試合で方向性を確認
(撮影:向 風見也)
男子7人制日本代表は19日、東京・辰巳の森ラグビー練習場で、ウェールズ代表とタックルを伴わない7分×3本の練習試合を行った。トライ数は5−6とされ、惜敗。東京セブンズ(22〜23日/秩父宮ラグビー場)を見据え、坂井克行主将(豊田自動織機)は「いいシーンと悪いシーンが両方出た。方向性は間違っていないと確信ができた」とそれぞれ振り返った。
奥行きのある攻撃ラインを敷き、広い視野のもと素早いスペースの発見と攻略を目指す現チーム。1本目の開始早々、成果を示した。直線的なランとショートパスで敵陣左中間を攻略すると、15人制日本代表でもある藤田慶和(早大2年)が右へロングパスを放つ。最後は渡邊昌紀(リコー)が無人のスペースを射抜いた。
「思い切って仕掛けたボールが速く(接点から)出たら、スペースにボールを運べた」と坂井主将。ただ、突破力ある選手が前に出た後の二の矢、三の矢をより素早く放ちたかったからか、「誰かが仕掛けた時の(選手間の)コミュニケーションが良くなれば」とも反省した。
かねてから「中途半端にお互い取り合って…となるよりは、たくさん失点しても『(本番では)こういうプレーができればいい』と言えるものを1つでも見つけられれば」と語っていた瀬川智広ヘッドコーチは、守備への手応えを掴んだ。
「最初はストレートアップ(ボールが出るや守備網が鋭く前進する動き)ができず外に流れてしまい、(1人ひとりの距離感が)広くなって抜かれることもあった。ただ、2本目、3本目はしっかりポジショニングした状態から早いプレッシャーをかけられた」
日本代表は、ボール保持者を2人の選手が挟み撃ちにしてオフロードパスを防ぐよう意識している。コンタクトができない今回の試合では、前に飛び出した選手の死角にロングパスを通された。しかし、「システムとしては良かった」と指揮官。ランナーに効果的なタックルができれば、その後のパスは放たれないとの算段だ。
「あとは、そこでタックルが決まるか。そこが世界との差だと思うんです」
S&C(ストレングス&コンディショニング)を担当するディーン・ベントン スポットコーチからは「フィットネスは大丈夫。ウェールズより走れていた」と太鼓判を押された。20日は東京・東芝グラウンドでカナダ代表と練習試合を行う。