アグレッシブに変身の立教大、対抗戦Aへ。日体大、沈黙。
感激に涙ぐむ木村修平主将(右端)と立教大の選手たち。(撮影/松本かおり)
伝統のジャージーを着た若者たちが肩を落とす。栄光の歴史を刻んだOBたちも。
スコアボードに刻まれたスコアは74-17。立教大は11トライも奪い、日体大は3トライだけだった。大学選手権の優勝経験もある名門が、大敗で関東大学対抗戦Bに陥落した。
12月7日に熊谷ラグビー場でおこなわれた関東大学対抗戦入替戦の第2試合。立教大×日体大は、試合開始直後から濃紺のジャージーがいきいきとしていた。昨季まで、ディフェンシブなスタイルを生きる道としてきた。しかし、ジュニア・ジャパンやU20日本代表を指導する遠藤哲ヘッドコーチを迎えて今季から新体制となった。チームも、アタッキング・ラグビーを標榜し、どんどん仕掛けていくスタイルを前面に押し出すシーズンを過ごしてきた。
開始8分、カウンター攻撃からWTB青木空斗が快走を見せて先制トライを奪ったチームは、27分にPR眞壁貴男がトライを挙げて14-0とする。その後2トライを日体大に許し前半を14-12の僅差で終えたが、後半は一方的だった。
開始1分にラインアウト後のモールから攻め、NO8白石拓馬がトライラインを越えると、圧倒の時間が始まる。当たり勝つ。走り勝つ。そして動き勝つ。すべてに日体大を上回り、後半だけで60点。最後の最後まで攻め抜き、最高のフルタイムを迎えた。「遠藤ヘッドコーチのもと、アグレッシブなチームに変貌しようと愚直にやり続けてきたことが実を結んだ」と佐野洋三監督が言えば、この日は怪我を抱えての準備だったために途中出場となったCTB木村修平主将は「走り勝つイメージのラグビーをやりきれました」。
チームを変えた遠藤ヘッドコーチは、「今季は、進化しながら勝とう、がテーマでした。それを実現できた選手たちの努力あってこその結果」。ふたたび始まる対抗戦Aでの戦いで、新たな足跡を残していきそうだ。
日体大の米地徹監督は、試合直後に「頭の中を整理できない」と言葉を絞り出した。
「歴史を築いてきたすべての卒業生、OBたちに申し訳ない。選手たちは一生懸命やった。監督が至らなかった…」
前週は成蹊大に敗れた。主将の藤原健太は、その試合に向けての練習の途中で足を骨折し、最後の試合はピッチに立てなかった。いろんな条件が重なり、上を向くきっかけをつかめぬままこの日を迎えたが、坂道を転がり始めたのは最近の話ではない。
再建へ、やるべきことは山積している。部の総力を尽くすしかない。