ドコモが九電に快勝! 愛知ダービーを制したのはトヨタ自動車
愛知県の豊田スタジアムで9月1日、トップリーグ開幕節・プールAの残り2試合が行われ、NTTドコモレッドハリケーンズとトヨタ自動車ヴェルブリッツが勝利を手にした。
マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた箕内拓郎(NTTドコモ)と朝見力弥(豊田自動織機)
(撮影:BBM)
第1試合に登場したNTTドコモは、昨シーズンに苦汁をなめさせられた九州電力キューデンヴォルテクスを29−7で下し、リベンジを果たした。
前半12分にリズムよく攻め上がったNTTドコモは、ハーフウェイ中央からバックローの3人、ハインリッヒ・ブルソー、佐藤大朗、箕内拓郎が巧みにつなぎ、CTB中矢健が左サイドを走り切って先制した。
数分後、九州電力のFL小原渉にトライを決められ、ゴール成功で一度はリードを奪われたドコモだったが、ゲームの主導権はすぐに取り返した。24分、敵陣で相手のラインアウトボールをスチールすると、慶大卒ルーキーのFL佐藤とベテランNO8箕内のゲインでゴールに迫り、展開して、SO茂木大輔のタップパスをCTB清瀬岳大がフィニッシュ。30分には、新加入の元南アフリカ代表FBリアン・フィルヨーンが走り抜け、17−7で折り返した。
後半もドコモの勢いは止まらず、43分に前主将のWTB平瀬健志がインターセプトして約60メートルを走り切り、チーム4トライ目でボーナスポイントを獲得。終盤には途中出場のフィジー代表WTBシレリ・ボンボも健脚を披露し、下沖正博ヘッドコーチの初陣勝利に花を添えた。
第2試合は、愛知県を本拠地とするトヨタ自動車と豊田自動織機シャトルズのダービーマッチとなり、過去10シーズンでベスト4入り6回の安定した力を持つトヨタ自動車が、ラスト10分間で12点差をひっくり返し、21−18で逆転勝利を収めた。
試合は序盤から、3季ぶりにトップリーグ復帰を果たした豊田自動織機の押せ押せムードだった。
前半7分、織機は自陣でのスクラムからの攻撃でループを使って右サイドに穴を開け、SOマーク・ジェラードのパスを受けたWTB朝見力弥が、自ら蹴ったボールをいち早くインゴールで押さえ、先制した。トヨタ自動車は前半にトライチャンスはあったものの、朝見の狙り強いディフェンスにNO8菊谷崇が落球し、スクラム、モール攻撃でもゴールラインを越えることはできなかった。
8−6とリードして後半を迎えた織機は、45分にペナルティゴール(PG)で3点追加。途中出場のBKリーダー河合航などが好タックルを見せ、さらに勢いづくと、60分には大型CTBヴァカ・ジョセフ・ウィルソンが自陣からブレイクスルーし、前方へ大きく蹴られたボールは、5番手でチェイスしていたWTB朝見の手にラッキーバウンドで収まり、トライ。ゴール決まり、その差は12点に拡がった。
しかし、底力があるトヨタ自動車はこのまま終わらなかった。
73分にHO川西智治がトライを決め、ゴール成功で5点差にすると、リスタート後は自陣深くからボールを回し、連続攻撃の末に最後はCTBタウモエピアウ・シリベヌシィがインゴール右隅に飛び込み、追いついた。
そして残り1分を切り、トヨタ自動車にPGチャンス到来。これを、途中出場のSO黒宮裕介が見事に決め、直後にノーサイドの笛が鳴った。
第2節では、トヨタ自動車は昨季王者のサントリーに挑み(9月7日/和歌山・紀三井寺公園陸上競技場)、豊田自動織機はNTTドコモと顔を合わせる(同8日/北海道・月寒ラグビー場)。九州電力はホームの福岡へ戻り、7日にレベルファイブスタジアムで神戸製鋼と対戦する。