国内 2013.08.03

『本物』バーンズ、ワイルドナイツに全力。

『本物』バーンズ、ワイルドナイツに全力。

ワイルドナイツと網走の空気を吸い込むベーリック・バーンズ(撮影:Hiroaki. UENO)

 

 北海道・網走に滞在中のパナソニック・ワイルドナイツ。その夏合宿が賑やかだ。

 

 豪州代表指揮官の座はブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとのテストシリーズに負け越したことを機に退任したものの、いまだ知将としての評価は下がることのないロビー・ディーンズ氏が8月7日まで指導にあたる。また、今季から加入するワラビーズBKの中心、ベーリック・バーンズもピッチに立つ。スーパーラグビーから戻ってきた堀江翔太の存在も含め、充実した空気が充満している。

 

 特に、ワラビーズでも攻守に信頼厚かったバーンズの加入は、チームにとって大きな影響力があるだろう。高校卒業と同時にラグビー・リーグの強豪、ブリスベン・ブロンコスと契約、そしてプレー。その後、今年6月までにワラビーズで51キャップを重ねた才能は、きっとチームの長所をすべて引き出す。

 

 ライオンズとのテストシリーズを戦うメンバーにも選ばれた同選手。第1テストで脳しんとうを起こし、第2テスト、第3テストは欠場したものの回復具合は順調な様子だ。2011年シーズンにも同様の症状に苦しんだが、ワールドカップまでには復帰し、世界の大舞台では勝利に貢献した実績があるだけに頼もしい。

 

 今回の来日は一時的なもので、今後についてのミーティング、チーム行事への参加が主な目的。当初は練習には参加しない予定だったが、合流翌日の午前9時からのトレーニングに自ら加わった。
「日本に来た理由は、日本のラグビーがスピーディーでスキルフルで、自分が向上できるから」
 ワイルドナイツでの試運転はリザーブメンバーとのセッションとなったが、確かなスキルと、強い精神力はすぐに周囲に伝わった。スーパースター独特の、自分に要求されているものに応える姿勢にあふれていた。

 

 バーンズにとって日本は、2007年W杯で得た初キャップの相手。また2009年のブレディスローカップ日本開催時にはワラビーズ副将の重責を担うなど、何かと縁深い。
 ハードタックラーにしてクレバー、そしてSO、インサイドCTBで力を発揮する才能豊かな男は、トップリーで間違いなく光を放つ。

 

 

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