各国代表 2013.06.01

小野澤が日本代表キャップ数新記録達成! 記念試合にジャパン勝利ならず

小野澤が日本代表キャップ数新記録達成! 記念試合にジャパン勝利ならず

  6月1日、「IRB パシフィック・ネーションズカップ 2013」(PNC)は第2節に入り、フィジーのラウトカで世界ランキング14位のフィジー代表と対戦した日本代表(同15位)は、8-22で敗れた。
 この試合で小野澤宏時(サントリー)が左WTBで先発し、テストマッチ80試合出場を達成。往年の名CTB元木由記雄氏(元神戸製鋼)が持っていた79キャップを抜いて、日本代表歴代最多キャップホルダーとなった記念すべきゲームだったが、勝利で飾ることはできなかった。

 雨により、ぬかるみのグラウンドで行われた試合。日本は開始早々、ランニングスキル高いフィジー両WTBのカウンターを止められず、ノーホイッスルトライを許してしまう。両チームともゴールキックに苦しみ、前半を0-5で折り返した。
 後半6分、ペナルティゴールで3点を返した日本。しかし3分後、自陣でのブレイクダウンでターンオーバーされ、左でつながれて2トライ目を奪われた。29分には敵陣深くに攻め込んだもののライン外に押し出され、クイックスローインからサイド突破を許し、3-17。
 意地を見せたいジャパンは、試合終了数分前に自陣でのペナルティから速攻を仕掛け、左へ展開し、相手2人を引きつけたCTBマレ・サウ(ヤマハ発動機)のオフロードを途中出場WTB福岡堅樹(筑波大)がきっちり得点に結びつけ、9点差とする。が、ラストプレーで、日本のラグビーをよく知るフィジー代表CTBネマニ・ナドロ(NEC)にパスカットからダメ押しトライを決められ、日本はボーナスポイントも奪うことはできなかった。
 エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ率いる日本代表は、第1戦でトンガ代表に敗れており、これで0勝2敗(勝点0)となった。今後は、PNCから2週間ほど離れ、8日(大阪・近鉄花園ラグビー場)と15日(東京・秩父宮ラグビー場)、ウエールズ代表とテストマッチ2試合を行う。

 

PNC

 

 

【指揮官・選手コメント】

 

■エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ

 課題は見ての通りたくさんある。試合の中で勝てたという場面がほとんどなかった。ラインアウト、スクラム、ブレイクダウン。いいところは1つもなかった。ウエールズ代表と来週このような試合をしたら、80点差で負けるだろう。木津と山下を一緒に投入したのは、何かしらを変える必要があったからだ。こういうコンディション(豪雨)でも言い訳はできないのが、テストラグビーだ。選手たちはベストを尽くしている。うまくコーチングできなかった自分の責任だ。

 

■菊谷崇 ゲームキャプテン

 自分たちがやろうとしてるラグビーができなかった。JAPAN WAYはテンポをあげるラグビー。後半はそれができず、スローなテンポでやってしまった。ラインアウトでも前半は早くセットすることができていたのに、テンポをあげようという意思を全体に伝えられなかった。ゲームのコントロールを意識していたが、自分たちの強みを出すことができなかった。この敗北を、何か得られるものにするか否かは自分たち次第だ。

 

■小野澤宏時

(日本代表歴代最多の80キャップ目ということは)どうでもいいことで、結果がすべて。テンポをあげるべき時に、あげられなかった。自分たちが試合をコントロールしてテンポを速くする、ということができないといけない。自分たちのやるべきことをやらなければいけない。

 

■大野均

 慣れない状況の中で、チーム一丸となって勝ちを取りに行ったが、勝てなくて残念。全員が混乱してしまい、最後まで修正できずに、フィジーのやりたいラグビーをやらせてしまった。ウエールズ代表戦に向けていい教訓をもらったので、ヨーロッパのトップ相手に必ずいい試合をしたい。

 

■立川理道

 自分たちがやろうとしていることを変えることなくやろうとしたが、うまくいかないところで相手のペースになる部分があった。自分たちのミスもあって、日本代表のペースにならなかった。途中から入ったスタンドオフは練習でもやっていたが、自分に求められていたのはテンポアップだったのに、それがうまくできなかった。この課題を次の機会につなげていきたい。

 

■福岡堅樹

 自分は後半に入って流れを変える役目だったのに、その役割を果たせなかった。トライを取れたのは、ほとんどマレさん(サウ選手)のおかげ。フィジカルの部分でボールを取られたり、サポートのときにめくられたりしたので、ウエールズ代表戦に向けて、意識を徹底していきたい。

 

 

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日本代表歴代最多の80キャップを獲得した小野澤宏時。写真は2011年ワールドカップ・NZ代表戦より
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)

 

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