セブンズ 2013.03.30

この男たちを見よ! 東京セブンズで光を放つ世界のスターたち。

この男たちを見よ! 東京セブンズで光を放つ世界のスターたち。


世界中のセブンズファンに愛されるNZセブンズ代表のDJフォーブス(撮影/松本かおり)



 待ちに待った祭典が、ついに開幕した。7人制ラグビー、世界最高峰の大会のひとつである『TOHKYO SEVENS 2013』が3月30日午前から始まった。明日31日まで秩父宮ラグビー場で開催される。
 大会初日、全チームがひと通り顔を見せた序盤戦を終えただけでも、好ゲームが相次いだ。先週の香港大会で準優勝だったウエールズが、22-24でアメリカに敗れる。どのゲームも最後まで競る。あいにく曇天で気温は低いが、ピッチの上は熱い。戦いは、どんどん激しさを増していきそうだ。



 特に走ることや、相手を抜く技術に秀でるアスリートが多く揃うセブンズの世界。そんな鋭たちの中でも、広く知られるエキスパートたちがいる。その何人かを紹介しておこう。



 今シリーズここまで総合成績のトップを走っているのがニュージーランド(NZ)。チームの先頭に立つのがデレク・ジェイミー・フォーブスだ。DJフォーブスの名で世界中に知られている。長く選出され続けているだけで凄いのに、7年間もキャプテンを務めてきた。統率力は抜群。代表デビューを飾ってわずか9カ月でゴードン・ティエッチェン監督からキャプテンに指名された。
 密集でのボール奪取力も魅力だ。15人制ではオープンサイドFLとして、長年プレーした経験が生きているのだろう。オークランド、カウンティーズ・マヌカウで州代表選手権に出場。ちなみに、サモア出身の偉大なるピーター・ファティアロファの甥にあたる。2008年にはIRBセブンズ年間最優秀選手、翌年にはNZサモアンの年間最優秀スポーツ選手に選ばれた。



 シリーズ総合2位のフィジーではサミソニ・ヴィリヴィリの調子がいい。今季は18トライとチームで2番目のトライ数。15人制ではFBをプレーし、広いスペースを高速で駆け抜ける。祖父もフィジー代表(24キャップ)として活躍したヴィリヴィリは、実は、今季がセブンズ代表デビュー。夢が叶ったのは24歳とやや遅咲きも、尊敬する祖父のような輝かしい足跡をこれから積み上げたいと考えている。



 サモアでは、大ベテランのロロ・ルイに注目だ。チームの2009-2010年シリーズ総合優勝に大きく貢献。ドロップキックの名手でもある。15人制代表として25キャップを持など経験豊富なルイは、チームに欠かせぬプレーメーカー。勝負所で力を発揮するタイプ。



 南アフリカでは、膝の怪我でしばらく戦列から離れていたセシル・アフリカが東京で復活を果たす。ほっそりした脚からは想像できないスピードとステップが持ち味。175?、75?と、全出場選手の中でも小柄な部類に入るが、それでも2010-2011シーズンには得点・トライ数双方でシリーズ最多をマーク。IRBのセブンズ最優秀選手に選ばれた。
 ポートエリザベス出身。2006年には南ア高校代表。2008年には、ジュニア・ワールドチャンピオンシップで3位に入った南アU20代表にも選ばれている。突破とパスが持ち味だ。
 アフリカが万全でなければ、166cm、72kgと体型も容姿も似ているブランコ・デュプレアが代わりに目立ってくれるだろう。22歳のSHは2月のラスベガス大会、NZ戦で大活躍。この試合、ひとりで2トライ、5ゴールを挙げる活躍を見せた。



 セブンズの世界にはスピードスターが数多くいるが、今大会でいちばんのランナーは、アメリカのカーリン・アイルズだろう。
 昨年ラグビーに転向するまでは陸上競技、短距離のスプリンターだった。自己ベストは100m10秒13(追い風参考)。『世界最速のラグビー選手』が、秩父宮でじんなパフォーマンスを見せるのか楽しみだ。今シリーズ10トライをマークしたニュースターは、経験を重ねるごとに加速している。



 アイルズに対抗するのはイングランドのダン・ノートンか。40?を4秒8で走る快速。あのウサイン・ボルトの最速タイムが4秒64というから、その速さは驚異的だ。今季はすでに27トライをマーク。重要な場面でトライをとる能力に定評がある。
 イングランドには、もう一人スピードスターがいる。マット・ターナーだ。同チームのベン・ライアン ヘッドコーチが言うには、「10mの加速力、ダッシュ力なら一番だと思う。100mだとノートンが速いが、瞬間的にはターナー」。細かなスペースを突き破り、一気に加速するシーンが昨年の大会でも見られた。今大会でも再現なるか。



 サモアのポール・ペレス、スコットランドのジェームス・フレミングなど、他にもスピード自慢のランナーはいる。ジャパンの羽野一志の大胆な走り、成田秀悦の俊敏でトリッキーな動きも、相手を戸惑わせ、スタンドを沸かせるだろう。


 



100m10秒前半のスピードスター、アメリカのカーリン・アイルズ(撮影/長尾亜紀)


 

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