ケニア 初の世界制覇ならず セブンズWS決勝でイングランドに延長負け
カップ準決勝で世界ランク1位のニュージーランドを破り喜ぶケニアの選手たち
(Photo: IRB / Martin Seras Lima)
ついにケニアが世界の頂点に立つときが来た、と思われた。
「HSBC セブンズ ワールドシリーズ 2012−13 第4戦」、カップファイナル。イングランド相手に19−12とリードし、残り時間0秒。自陣深く、シンビンで1人欠く不利な状況ながら、FWがボールをキープしてタッチに出せば悲願の初優勝だった。が、イングランドが密集でボールをもぎ取り、反撃に転じる。展開してゴールに迫る相手をケニア戦士は捕らえたが、辛抱できずに反則を犯し、またしてもイエローカードで5人になった。防御の網目が緩くなり、イングランドは難なくポスト下にトライ。ゴール決まり同点で延長戦へ突入する。
残る力を振り絞り、ハードタックルを繰り返したケニアだったが、延長開始2分過ぎ、イングランドの新鋭サム・エジャリーがゴールデントライを決め、激闘に決着がついた。
栄冠を逃したケニアだが、間違いなく今大会の主役だった。
昨季終了後、7人制イングランド代表ヘッドコーチとして実績を残したマイク・フライデー氏を新しい指揮官に迎え、レベルアップした男たちは、パワフルラン、ハードタックル、強いブレイクダウンを武器に勝ち上がった。
アルゼンチン、フランス、トンガと入ったプール戦では3戦全勝。準々決勝の南アフリカ戦は21−20と逆転勝ちを収めた。
そして、開催国ニュージーランドとの準決勝。世界ランキング1位の王者に早々と2トライを奪われ14点差をつけられたが、残り約3分で7点差に詰め、フルタイムのラストワンプレーで同点に追いつき延長戦に持ち込んだ。そしてサドンデスのホイッスルが鳴って間もなく、ディフェンスからターンオーバーして一気のカウンターアタック、オスカー・オウマがビクトリーラインを越えてキングを倒したのだった。
1999年から始まったセブンズワールドシリーズの歴史で、優勝カップを獲得したのはわずか8カ国(ニュージーランド、フィジー、オーストラリア、南アフリカ、イングランド、アルゼンチン、フランス、サモア)のみ。仲間入りできなかったケニアだが、今季総合チャンピオンを争うランキングでは2位に浮上した。新たな歴史を作るのは、遠い未来ではなさそうだ。
一方、過去3ラウンドは絶不調だったイングランドだが、主力のマット・ターナーが復帰し、今季1冠目。史上初めてベスト8入りを逃したフィジーは、最終戦でカナダに敗れて10位に終わった。
来週末にはラスベガス(アメリカ)で、今シリーズ第5戦が行われる。
■HSBCセブンズ ワールドシリーズ 第4戦・NZ大会(最終日)
▽カップ準々決勝
・イングランド 31 – 7 スコットランド
・サモア 31 – 7 アルゼンチン
・ニュージーランド 24 – 5 オーストラリア
・ケニア 21 – 20 南アフリカ
▽カップ準決勝
・イングランド 21 – 19 サモア
・ケニア 19 – 14 ニュージーランド
▽カップ決勝(優勝決定戦)
・イングランド 24 – 19 ケニア
▽3位決定戦
・ニュージーランド 17 – 7 サモア
▽プレート決勝(5位決定戦)
・オーストラリア 22 – 7 スコットランド
▽ボウル決勝(9位決定戦)
・カナダ 28 – 19 フィジー
▽シールド決勝(13位決定戦)
・ウエールズ 26 – 21 トンガ
<HSBC セブンズ ワールドシリーズ 2012−13 総合ランキング/4戦終了時>