各国代表 2012.09.09

アルゼンチンが世界王者NZに善戦 豪州初勝利も主将がまた負傷

アルゼンチンが世界王者NZに善戦 豪州初勝利も主将がまた負傷


oz captain


この1年で、ワラビーズ2代目主将となったポーコック(右)と3代目主将に就いたゲニアだが、ともに負傷


(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)


 


 


 南半球4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」は8日、第3節の2試合が行われ、ニュージーランド代表がアルゼンチン代表に苦しみながらも21−5で勝利、オーストラリア代表は26−19で南アフリカ代表との接戦を制した。



 2カードとも、2011年ワールドカップ準々決勝と同じ顔合わせ。
 地元ウェリントンに南米の猛者を迎えたワールドカップ王者のオールブラックス(NZ代表)は、強い風と敵のアグレッシブなディフェンスに苦しんだ。ペナルティゴール(PG)で先制したものの、前半12分、自陣22メートル内でのCTBマア・ノヌーのノックオンから反撃され、アルゼンチン代表のベテランPRロドリゴ・ロンセーロがゴール前で腕を伸ばし、最初のトライを決めた。それでも、オールブラックスは24分にPGを追加し、6−5で前半を折り返す。
 善戦していたアルゼンチンだが、58分、FLフリオ・ファリアス・カベージョが故意の反則でイエローカードをもらい、1人欠いたのが痛かった。数的有利となったNZが66分、CTBコンラッド・スミスとノヌーのコンビネーションでWTBジュリアン・サヴェアのトライを演出。71分にはスクラムからのセットプレーで右へ大きく展開し、WTBコーリー・ジェーンが飛び込んで勝負を決めた。
 世界王者からの初勝利はならなかったものの、アルゼンチンの気迫に満ちたタックルの連続は、近い将来の3強食いを予感させるに十分なパフォーマンスだった。オールブラックスは今大会、3戦負け知らず。



 一方、ホームのパースで南ア代表と対戦したワラビーズ(豪州代表)は、前半をノートライに抑えられたもののPGで食い下がり、9−13で迎えた54分、ラインアウトからの流れで敵陣22メートル内に入ると、途中出場NO8スコット・ヒギンボッサムが中央を破って逆転トライを決めた。その後、南アがPGで同点に追いついたものの、68分、ワラビーズはFW陣が巧みなオフロードでつなぎ、PRベン・アレグザンダーがパワフルランでゴール左隅に飛び込んだ。結局、これが決勝点となり、ワールドカップ準々決勝に続いて、またしてもオーストラリアが笑った。南アフリカは2010年9月から、対オーストラリア戦は5連敗。
 NZ相手に黒星を続けたワラビーズだったが、ようやく今大会初勝利となり、優勝争いに望みをつないだ。しかし、故障で離脱しているLOジェームズ・ホーウィルとFLデイヴィッド・ポーコックに替わり、この1年間で3人目のキャプテンに就任したSHウィル・ゲニアも右膝を痛めてしまい、残り試合の出場が危ぶまれている。ゲームメーカーのひとり、CTBベーリック・バーンズも右ふくらはぎを負傷しており、苦しい戦いが続きそうだ。



 来週は、1勝1敗1分の南アフリカがニュージーランドに遠征し、1分2敗のアルゼンチンはオーストラリアに乗り込む。


 

PICK UP