国内 2012.08.28

九州電力 合宿はできずとも充実 「短期間で成長したい」(平田監督)

九州電力 合宿はできずとも充実 「短期間で成長したい」(平田監督)

 九州電力は今季、3季ぶりに日本最高峰のラグビートップリーグ(TL)へ復帰。社内事情で夏合宿を行えなかったが、「スコアラグビー」を目指す。
 1試合4トライ以上奪取で得られるボーナスポイントが順位を左右するTLにあって、降格した2009年度は「攻め切れなかった」と分析する平田輝志監督。「格上のチーム相手にも攻めるラグビーを展開し、勝ち点を積み重ねて結果を残したい」と語った。セットプレーを安定させたうえで、攻撃時間の増加を目指している。
 例年、昇格チームが苦しんできたのは、TLと下部リーグとの力量の格差への対応。ここ2年間は下部のトップキュウシュウに所属した九州電力も、その課題と向き合うこととなる。指揮官は「その辺は深くは考えていない」としながら、「下部リーグでやっていた時に比べ、(対戦相手の)個々の能力やフィジカル面は高い。私たちがいくらセットプレーを強化したといっても、そこも相手の方が上。まず、(その事実に)びっくりしないという心の準備が必要」と考える。
 「上のチームとやると、(収穫より)課題が多く出る可能性もある。それ(課題への対応策)を自分たちのスタイル(を確立させるプロセス)にうまくはめ込みながら、短期間で成長したい」
 市民に節電を要請する社内事情から、平日の勤務後の練習は電灯なしで行う。「(陽が出ている)限られた時間でいかに効率的に練習するかに取り組んでいる」と平田監督。「部員である前に九州電力の社員。他の社員が普段以上にあわただしい業務をしているなか、ラグビーだけをやっていては駄目」。夏合宿は自粛を余儀なくされた。ただ、「合宿に行けない可能性は(決定の)1か月くらい前に見えていた。選手も(悪影響を)そんなに感じていない」と強調する。多くのチームが集う北海道で合宿を張る場合は試合中心のスケジューリングが避けられない反面、今季の九州電力はじっくりと鍛錬できたと考える。週末の昼間などを利用し、「普段、自分たちがトレーニングしていることを、時間的な余裕を持ちながら選手に落とし込めた」と説明した。
 9月1日、福岡・レベルファイブスタジアムでサニックスと今季TL初戦を迎える(18時キックオフ)。


(文・向 風見也)


 

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