海外
2012.04.12
レンガ積み職人からW杯セミファイナリストになった苦労人 首痛め引退
2011年ワールドカップでウエールズ代表の準決勝進出に貢献したHOロイド・バーンズ(27)が、深刻な首の怪我により現役を引退することになった。11日、所属するニューポート・グウェント・ドラゴンズが発表した。
バーンズは昨年末のスカーレッツ戦を最後にプレーしておらず、精密検査の結果、首の動脈を損傷していることが判明。大動脈もダメージを受けているため、心臓手術の可能性もあるという。
レンガ積み職人として働くかたわら、ニューポート・グウェント・ドラゴンズの下部組織であるクロスキーズでプレーしていたバーンズは、2008年10月にアングロ・ウェルシュ・カップでドラゴンズデビューを果たしている。しかし当時はまだセミプロ選手で、アマチュアとプロを往復する3番手HOだったが、当時の主力であった元オールブラックスのトム・ウィリスと元ウエールズ代表のスティーヴ・ジョーンズが怪我をしたため、チャンスを獲得。ひたむきな姿勢とハードワークが実を結び、2010−11シーズン始めにチームから2年契約を打診され、25歳でようやくプロ選手となった。
そして、無我夢中で階段を上った苦労人は、昨年6月にウエールズ代表となり、バーバリアンズ戦で初キャップを獲得。代表主将だったHOマシュー・リースが負傷離脱していたため、ワールドカップNZ大会のメンバーにも選ばれ、夢の大舞台では、プール戦3試合(対サモア、ナミビア、フィー戦)と3位決定戦のオーストラリア戦に出場した。
約1年半の短いプロ人生だったが、その間にニューポート・グウェント・ドラゴンズでは33試合に出場、ウエールズ代表では7キャップを獲得した。